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2010年8月13日 (金)

「ペルシャ猫を誰も知らない」

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「ペルシャ猫を誰も知らない」見て参りました。公式サイトはこちら

昨年カンヌで特別賞を受賞し、ユーロスペースで公開直後から大変人気の作品。今バンド組んでる若い人達と、それからいわゆる「団塊の世代」にはたまらない映画、でしょう。客層もまさにそんなカンジでした。

公式に行くと詳しく書いてありますが、出てくるミュージシャンは全員現地の現役プロ。中でもうまいなと思ったのは写真の2人です。左、若いのに人生を達観し青臭さの全くない、しかし溢れんばかりの豊かな詩情を子供相手に惜しみなくさらけ出すイランの坂崎さんw 右、泉谷しげるとサンボマスターを足して2で割って更にじっくり寝かせて大人にしたような、味わい深いパンチの聞いたブルースを歌うお兄さん。ラッパーやヘビメタ、もちろん主役の2人も含めた他の奏者がまだまだ借り物だったり真似事の域を出ていない中で、この2人は自分の内から生まれ出でた歌を自分で歌っていて、訴えかけてくるものがありました
でもそれよりも監督が、PVのようにして演奏の合間に挟んでくるショットがほんとうに素晴らしい。この音楽の生まれたイランの現状、彼らの心象風景を、強烈なインパクトと深い叙情をもって見事にあらわし、一つ一つの絵がこちらの心に深く刻まれていきます・・・流れている音楽が霞むほどに。

それにしても、かの広大な荒地と砂埃と太陽を前にしては、ロックなんてショボイと思わざるを得ません。あれに太刀打ち出来るのはつくづく彼らの民族音楽だけ、です。自縄自縛の閉塞感、病み荒んだ精神などとは無縁の、問答無用で生命そのものを根こそぎ圧し去ろうとする大地。それに対し真っ向から、生命の有らん限りを、全力でぶつけるすべは、他の音楽にはありません。西洋の音楽をやりたい気持は痛いほどわかりますが、それをやりつくしたら、ぜひとも彼らのあの音楽を大事にして欲しいと、老婆心ながら思ったことでした。

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