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2008年11月 2日 (日)

レッドクリフ

公開初日1000円の日に見て参りましたw 公式はこちら

これほどに、見る人の素養によって楽しみ方の変わる映画も少ないかもしれませんw
ゲームから三国志に入った人、横山三国志から入った人、様々だと思いますが、たぶん自分が知っている「あのシーンが見たい」的なこだわりを持ってみると、肩すかしを食らったり突っ込みどころ満載の映画になると思います。かく言う私は、三国志のゲームもマンガも実はよく知らないので(汗)正直みなさんがどの辺りでがっかりするのかわからないんですが。
以下は、主に小川環樹訳「三国志演義」という文庫本でかの世界に親しみ、始めて中国アクション満載映画を見た特撮初心者の感想として、幾重にも割り引いて(笑)お読み下さい。

いったいあの長大な物語の、何がどんな風に映像化されるんだろう、とわくわくして見に行った私には、2時間はあっという間でした。史実や物語とは違う所は山のようにありましたが、それが逆に様々に感興を呼び起こし、監督の用意してくれた絵巻物の中で私は本当に楽しく遊ばせてもらいました。
見たとたんに張飛とわかる(笑)愛くるしくも勇猛果敢な顔v    耳は大きくないけどw慈愛に満ちた眼差しがほんとうに人の心をつかんではなさない劉備  ナマズ髭は正直イヤなんですけどw既にして心技体すべてが神格化されているw関羽  うっとりするほど食わせ者でw仁者の孔明。今まで文字から何千回となく頭の中に思い浮かべて来た人たちが実際に形をとって目の前に顕れると「そうそうコンナ奴なんだよっっ」とまるで昔からの知り合いにあったようにコーフンします(笑) いやもう、字で読めば1人で10人も20人も平気でなぎ倒すことになってはいますけど、実際に目で見てみるとこいつら人間じゃないですってww 見ながらもう、楽しくって嬉しくって仕方ありません。
それと、「演義」ではどっちかというとヒドい扱いの呉国にライトが当たっているのも嬉しいvv 私が14の歳からあこがれてやまない周瑜、なんと今回驚くことに主役ですっっ!!「既生瑜、何生亮」なんて情けないことは言いませんっ(笑)何たって演じるのは天下のトニー・レオンなんですからv  彼の登場シーンは例の「曲に誤りあれば周郎が振り向く」から作られた話だと思いますが、その姿にかぶせて美しい山川の景色が重ねられるあたり、蘇東坡の赤壁賦、「山川相繆うて、欝乎として蒼蒼たり。此れ孟徳の周郎に困しめられしに非ずや」を彷彿とさせます。同じく孔明が呉の国土を見渡すシーンでは、霞にけぶる田園風景が悠然と拡がり、杜牧の江南春「千里鴬啼いて緑紅に映ず」をそのまま絵に描いたような、映画ならではの美しさを堪能。そうして、美しさでも食わせ者度合いでも決して引けを取らないw孔明と、丁々発止とやりあうのです。琴は孔明が好きだったので周瑜が合わせたのでしょうね。楽曲がなんだかジャズセッションのようなノリで、もすこし優美な漢代のものを何となく想像していた私はビックリしましたが(笑)、孔明に音で様々に問いかけられるうちに、自分の放つ音の激しさに気づいて周瑜が驚く、その心の流れと調べがぴったり合っていて、あとのせりふの説明がいらないくらい、陶然としました。ほかにも随所で日本の音曲、韓国の音曲などが挟まれていて、監督はアジア文化という視点で撮っていると書いていましたが、中国が誇る一大叙事詩を切り取るのですから遠慮せず、もっと京劇の歌曲や俚歌などふんだんに使ってもよかったかなとちょっと思いましたね。
また、呉国で言えば孫権を単なるビビリの変人、ではなく(笑)とても丁寧に描いてくれたのもよかった。あの「ブエノスアイレス」から10年近い時を経てトニー・レオンと相まみえるチャンチェン、快演でした。人物描写としても、この人が最も深く掘り下げられていたかもしれません。それが呉と劉備達を対等な関係に押し上げる原動力となっていました。私は個人的には、演義の、孔明に振り回される周瑜という解釈より、この映画のようなきっちりとした同盟関係のほうが好きです。あれだけの策を弄するわけですから、やはりここはがっちりタッグを組んでくれていた方が説得力あります。

それと、この赤壁と時が離れるシーン(笑)もサービスで見せてくれたのも嬉しかった。関羽が捕虜だった時、曹操に厚く遇された話そのままに、戦場で方や熱く方やそっけなく(笑)言上を述べる2人。関羽の千里行他その前後のストーリーが自然とオーバーラップされて、その人物が幾重にも楽しめます。また周瑜が流れ矢に当たって没するのはもっとずっと後ですが、そこに趙雲が絡む事で、たぶん後半の肝となる部分がとても説得力を持ってくると思います。

映画最後まで見ると、後半の予告編が見られます。結果を知っていても、むしろ結果を知っているからこそ、つくづく後半の公開が楽しみで仕方ありませんw 

監督、これで味をしめて、
「星落つ秋風五丈原」とか、撮ってくれないかなぁぁぁぁぁぁ(願)

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