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2006年12月

2006年12月25日 (月)

凍結

 忙しいとはいえ、ここを放置したままお返事も書けないというのは、やはりあまりにも無責任すぎると思いますので、しばらくここは凍結(笑)いたします。ひと月もほおっておけば業者その他が通りすがるに決まっていますので、コメントもトラックバックもとりあえず休止に設定致します。

 春になってもまだ忙しそうだったらここの削除も検討中です。どうかしばらくの間、仕事させてやって下さい。宜しくお願いしますm(_ _)m

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2006年12月20日 (水)

第30回日本アカデミー賞

「第30回日本アカデミー賞」の優秀賞15部門が決まったそうです。記事はこちら

◎優秀主演男優賞 受賞者・受賞作 対象作品
オダギリジョー 「ゆれる」
妻夫木聡 「涙そうそう」
寺尾聡 「博士の愛した数式」
役所広司 「THE有頂天ホテル」
渡辺謙 「明日の記憶」

 木村拓也氏が、↑この受賞を辞退したので話題になっています。渡辺謙氏が(最優秀賞を)取るだろうから私は、というのが理由らしいんですがホントでしょうかね。「硫黄島」は本家のアカデミーに行ってもイケる(少なくとも渡辺氏はクリント・イーストウッドよりカタいらしい)という下馬評がささやかれる中、日アカの方たちは今年キムタク来年謙さん、ぐらいのつもりでノミネートしてたんじゃないでしょうか。「武士の一分」は松竹がのるかそるか、映画部の社運を賭けてつくりあげた超大作で、日本映画全体の隆盛のためにもナニかあげとかなくちゃイケない作品、「貰う」のを使命として生み出された作品です。それは監督以下スタッフ全員、製作前から骨身にしみてわかっていた・・・筈なんですがね。たかが俳優や事務所の意向ごときで今になってそれを簡単に外しちゃえるなどという事が本当にあるものなんだか。まぁもし本当だとしたら、何とも頭の悪い事務所だなぁとあきれるだけですが。

  最優秀賞が発表されるのは2/16ですから、少なくとも候補にあがっているオダギリ氏@お誕生日がその日テレビで見られる事だけは確定ですv 「辞退出来るなんて知らなかった」などと強烈にトバしながら、この作品で評価された喜びを素直に語ってくれるのではないかと今から期待しています。

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2006年12月19日 (火)

「転々」ロケ・ラスト

 エキストラ追加募集に応募して、運よく最後の撮影に参加する事が出来ました。場所は花小金井のとある商店街でした。物語のラストシーンはたぶん昨日の丸の内、だと思いますが、撮影は今日が最後だったようで、終わった後花束贈呈などがありました。

 今日は商店街のお客さん、という設定だったのですが、エキストラなんかイラナイんじゃないか、というくらい地元の方たちがたくさん見学にいらしていて、 しかも年の瀬の慌しい時、ロケがあろうとなかろうと、商店街で買い物したい人はたくさんいるわけです(いや、私だって買いたかった・笑)。ですので基本的にお店は通常営業、お買い物も自由、本番の時だけ「カメラのほうを見ないで下さいね~」(笑)というご指示。そして実は「今は本番ですからちょっと待ってて下さい」「今なら出て行っても大丈夫ですよ」とお店のお客さんたちに逐一連絡するのが私たちエキストラの隠れた任務だった(笑)。そのなかを、三浦氏とオダギリ氏が並んで歩いていきます。ここは三木さんらしい「ひょうきん族」を髣髴とさせるようなコマカいネタがいくつも仕込まれていましたので、 どうか是非お楽しみになさっていて下さいvv
 そして私は今回初めて加賀まりこさんの出演シーンに遭遇しました。原作からするとどうしても出てくる筈のある重要人物に、ここまで来てやっと出会えた、という感じ。ほかの出演者同様、パッと見にはわからない変貌ぶりですが、そうか、加賀さんがなさるのですね・・・素敵ですv

 オダギリ氏は変わらず、アノ黄色い上着とジーパンとワラビーという軟弱な(笑)服にハンパなリーゼント。三浦氏が今日は大変に威厳に満ちて見えましたので(お話の中では最初のほうに現れるシーンだからだと思います)、その分オダギリ氏が軽いノリの兄ちゃんに見えましたです(^_^;)。しかし本人は今日は何だかとてもご機嫌がよくて、冗談を飛ばして三浦氏にこづかれたり、役の動きについて積極的にいくつか提案したり、合間、合間には細かいところまでつっこんで確認したりして「もう役者やめようかなぁ」などと言っていた人にはとても見えませんでしたよ(笑) 

さぁ、来年のお誕生日は日本アカデミー賞の授賞式だ!頑張れオダギリっ(何を・笑)




 

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2006年12月11日 (月)

「転々」ロケ@門前仲町

 その名の通り各地を転々としている「転々」ロケも終盤に近づいてきました。今回は日曜日の門前仲町ロケにエキストラとして出演なさった堕美庵さんのロケレポートです。大変詳細なレポートです。堕美庵さん、本当に有難うございましたm(_ _)m

 「朝8時頃、門前仲町を出て歩くこと数歩。 永代通りに面した、角の黄色いビニールシート屋根の「○○ちゃんラーメン」に長~い行列にて並ぶお客さん役エ キストラに参加致しました。 此処ではワン・シーンのみ。 設定は平日昼休み。 「○○ちゃんラーメン」からではなく、隣か、別の飲食店から昼食終 えて帰る、岩松了さん、ふせえりさん、松重豊さん(おそらく職場の同僚?)が移動。 このお3人さんが「○○ちゃんラーメン」大行列の脇を歩きながら、戻るシーンを撮影。 助監督さんからは「エキストラさんの方に向かって役者さん達が歩いて行きますが、皆さんは役者さ んを見ないで、早く列が進まないかなぁ~と、ラーメン屋さんの出入り口を気にして見ていて下さい 。で、列が進んだら自然に詰めると…」 そりゃそうだ(納得)。 しかし、お3人さんが真っ直ぐ歩いて来た道を左折し、行列を横切るタイミングと、その周辺エキス トラが列を詰めるタイミングに「異常な迄に(笑)妥協を許さぬ」三木聡監督の元、20回弱のテスト が繰り返されました(「花やしき」でのジェット・コースター・シーンが蘇る) 役者さんもエキストラも同じ道を行ったり来たり。 お陰でテストや本番では勿論無理ですが、スタンバイする迄の過程で、何回もお3人さんの事は確認 (ああ…これがオダギリさんだったら・笑)。

 しかし、やはり何と言っても1番目立つのは、いつもの事ながら三木監督なんですねぇ(笑) この日は特に黄緑色と言うより鮮やかな「芋虫色」(笑)のよりによって「スカジャン」!しかも良 く見ると迷彩柄になっていて、そこにドラゴンの刺繍やら、訳の解らぬ絵柄や漢字の刺繍が施され、 一体こーゆー服をいつ、何処で手に入れるのか解りません。 「普通の人」はもう絶対、手にも取りません(キッパリ!) ある意味凄い「悪趣味」なのですが、それに全然負けてない、いや完全に着こなしている監督は見 事です。 さすがのオダギリさんもここ迄の域には到達していないでしょう( というか到達しなくて全然いいですっ!笑) 「新宿」での「赤」といい、今回の「芋虫迷彩」といい、どんなに離れていても監督だけは見つけら れますよ。えりネエ様の趣味なのでしょうか? 凄いカップルだっ!

 続いて役者さん3人の衣裳&more…
 ★松重さん⇒少しグレーがかった白いフリースの前ジッバーを、首元迄上げ…ボトムス?思い出せま せん(笑)しかしあの岩の如きゴツゴツ顔と眼光の鋭さ迫力満点&デカッ(他の2人が小さかっただ けかも・笑)
 ★岩松さん⇒まんまでした(笑)いやいや、え~っと確か(テキトー・笑)有りがちなワイシャツに 、白のウールのVネック・カーディガン。 ボトムスはフラノ地のダーク・グレー・パンツ(おそらく、いや勿論ツー・タックに違いない・笑)
 ★ふせさん⇒まんまです(笑)どうしてこうも女優さんは、皆さん小さくて華奢なのでしょうか? しかし「一筋繩ではいっかないよ~ん♪オーラ」炸裂!(笑) ヘアはベリー・ショート(勝手にしやがれのジーン・セバーグ風)トップスはシャツ・カラーのブラ ウスの上に白い薄めのVネック・カーディガン(縦ストライプの地模様有) ボトムスはダーク・ブラウンのベロアの膝丈スカート。 黒のスパッツ(しかしおみ足細い為、ももひき状態・笑) 最高なのがライト・ブルーにデカイ黒の水玉模様の『5本指ソックス』!(笑・出ったあ~!←あれ 凄く気持ちいいんですよねぇ。←愛用者。でも80年代にはゼッタイ有りませんでしたっ!) しかもそれにショッキング・ピンクのつっかけ(笑)まさにネエ様テイスト。 いや「三木夫妻」テイスト(爆笑)

で、お3人が交わされた台詞は以下の通り。聞き取れた範囲ですが。

 岩松:(婦女子が最も嫌がるおじさんの「爪楊枝シーハー」しながら)「こういう寂れた所に、隠れ た名店(○○ちゃんラーメンの事)ってのがあんだよお~」
 松重:「そんなに旨かったんすかっ!?」
 ふせ:(強い口調で)「違うのお~!あの店、ババアが一人でやってるもんだからあ、出てくんの遅 いのなんの!…」

因みにふせさんの台詞、最初は「バアチャン」→「バアサン」→「ババア」へと変化して参りました (爆!)

三木監督・熊本課長・又来婦警とくればもう~泣く子も黙る~(笑)迷作 シリーズ『時効警察』!! で、そこに松重さんが加わったとなると「そこそこラーメン」が被るところの『亀は以外と速く泳ぐ 』のスパイ・トリオ…思い出されますねぇ。 相変わらず身内で楽しんでますねぇ(笑) ところでこの映画、一体何処行くんでしょうか?」


・・・ほんとにどこへ行くんでしょうね(笑) 時効警察2を心待ちにしている身としては、その4人が並んでいるだけでも嬉しいですけど・・・身内でも(笑)
堕美庵さんは私と違って服装にお詳しいので、衣装チェックも細かく、お3方の様子が本当に目に浮かぶようですvv残念ながら監督の芋虫ジャンパーは映像には出てこないと思いますが(そう信じてはいますが・笑)、時効の面々が現れたら是非、この堕美庵さんのレポを思い出して堪能して下さいませvv

堕美庵さん、詳しいレポを本当に有難うございました~vv


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2006年12月10日 (日)

アンノウン

20061025005fl00005viewrsz150x「アンノウン」見てきました。公式サイトは写真からどうぞ。

なんというかあの(^_^;)やっぱりこの題はマズイんじゃないかと思うのはもはや一部オタクだけなんでしょうかv  オダギリジョーと葛山信吾さんが出たのが「仮面ライダークウガ」、その翌年あの賀集利樹、要潤を始め多くのイケメン俳優を世に送り出した「仮面ライダーアギト」が放映され一躍世の(お母さん達の・笑)脚光を浴びますが、そこでアギトたちの敵役だった悪の組織の名が実は「アンノウン」というんですよ~~~いや、知らないとは言わせない(笑)。映画そのものは、無駄にお子様ドラマを連想させる無粋な題を吹っ飛ばすような本格心理ミステリーで、あたりまえですけれど大人の方も充分楽しめますからご安心を。いやそれだからこそ惜しいというべきか(^_^;)

 公式で、彼らがどういう状況に陥っているのかはわかると思います。閉鎖的な環境の中で5人全員が記憶喪失で、しかもその中の2人が人質3人が犯人という、命がけの疑心暗鬼暗中模索の2時間です。大どんでん返しが何度かありますから、是非ご自分でも「これが犯人?」「今フラッシュバックした記憶は何?」と推理しながらお楽しみ下さい。ぼんやり見ているとあまり緊迫感が味わえずに終わると思いますのでvv

私がとても頷かされたのは、この切った張ったのタイヘンな状況下である人物の言う「お前は信じてもいい奴だ、という気がするんだ、何となく」というせりふです。その何となく、は文字通り自分の命をかけた「何となく」なんですけれど(^_^;)、でも出自や経歴はおろか、自分と相手との本来の関係すらもわからない中で、誰かを信じるとしたら、そのすべてを取り去った後にも残っているただひとつのもの、その人本来の「人間性」を信じるしかないわけです。外側の理屈で人と付き合うことの方が圧倒的に多い現代、この「何となく」の感性を研ぎ澄ます事は大変難しい事であると思いますが、最後の最後で一番大切なのはやはりそこなのだ、ということを今回改めて思わされたのでした。

 そして最後の最後でこの人物の「信頼」が利いた・・・かどうか。 私はYes、だと思いますが、ご覧になった方、いかがですか?

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「転々」ロケ@花やしき

221_1 幸せな事にお呼びがかかったとある火曜日、「転々」花やしきロケのエキストラに参加させて頂きました。火曜日なのは花やしきの定休日だからで、朝早くから園内工事やカラスの鳴き声の合間をかいくぐるようにしてロケは進められました。
 この日は吉高由利子さんと、小泉今日子母と子の3人で、ジェットコースターの先頭に乗っているオダギリジョーと三浦氏を見つけて笑って手を振る、というシーンでした。母息子は幼い時にも来た事があるという設定で、その回想シーンも撮っていました。
 先頭に乗っている2人をこっち側から撮るのが難しいらしく、カメラテストを何回も繰り返してはカメラ位置を直して又テスト、の繰り返しでこれがホントに大変そうだったのですが。ですが、実はほとんどのテストでコースターの先頭に乗り込んでいたのが監督で、失礼ながらそのテストを本当にエンジョイなさっているご様子でした(笑)。モニターをカメラの横に置き、カメラ映像を確認しながら乗るという一種意味不明な回も含め(笑)、半端でない回数お乗りになったのち、ようやく監督は主役の2人にその座を明け渡しましたが、彼らは5、6回ぐらいしか乗せてもらえなかったのではないでしょうか。続く回想シーンでも、イメージだからエキストラはジェットコースターに乗らなくていいと言われたのですが、その無人のはずのコースターでも監督はテストから本番直前まで最前列にしっかりご乗車でしたしvv この日は遊園地ロケという事でエキストラには親子連れさんも呼ばれていて、小さい方達は園内遊び放題ですからもう目をきらきらさせてはしゃぎ回っていましたが、そのお子さん達に負けない目の輝きを、監督の瞳に見ることが出来ましたよ(笑) きっと良い映画になるんじゃないでしょうかvv

 上からでも後ろからでもなく(笑)今回のオダギリ氏をまともに見られたのはこれが初めてでしたが、鳥の巣アタマはさすがにウィッグ足しているようでしたv 眉がキリッと濃く描き足されていて、若々しく凛々しいです。そしてコノ年代の風俗をリアルタイムで知っている大御所3人(笑)で鳩首会議の結果、あのアタマなら革ジャンにシルバーチェーンじゃらじゃらのとんがりブーツにグラサンでないとヘンだろう、という事になりました。一昔前の矢沢永吉のようなアタマ、といえばお分かりいただけるでしょうか。今ほど服装に選択肢がなく、衣装がそのまま意匠となっていた時代ですので、もしアタマをあそこまでキメてしまった例えばガンズアンドローゼスとかセックスピストルズとかの愛好者なら、間違ってもGジャンやGパンといった軟弱な(笑)服は選ばなかったんですけどね。そうでないと柳沢信吾さん系の「三の筋」に素で挑む天然ボケ、という事になりまする。いえ、コースターに乗って驚いてみせているそのノリはまぎれもなく難波花月、でしたけれどねv 全編あんなふうに小者キャラだとしたらちょっサビシイかも。前にも書いた三浦さんの長髪はさらにパワーアップしていて、撮影の合間に今流行の立体マスクをかけている様子はまるでからす天狗のようでしたしvいろんな意味ですごいカップルです(笑)

222 午後からは、石原良純さんとオダギリ氏で、花やしきのお隣の名店「愛玉子(あいぎょーちぃ)」で撮影でした。台湾銘菓、のど越しさわやかなレモン色のゼリーで私も大好きなんですが、ここもこの日はお休み。すると道行く人が

「先輩、何で今日はみんな休みなんですか?」
「花やしきが休みの火曜は、浅草がお休みの日なんだよ。でほら、集金の方々が来るわけだ。」
あごで示すほうをふと見ると、そこには外務官僚もかくやという黒塗りの高級車が一台と、まるで大統領護衛のシークレットサービスさながら、車の側を走ってついて来る若い衆・・・そしてとあるお店の前で降り立つお歴々はまるで映画のワンシーンのように鮮やかな、あたりを払うかのごとき威風堂々としたご様子。いや、まじでロケより緊張しますって(笑)。

オダギリ氏のおかげで大変なものを見せていただきましたよ・・・有難う。よい冥土の土産になりましたvv

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キング 罪の王

20061013004fl00004viewrsz150x「キング 罪の王」見てきました。 公式サイトは写真からどうぞ。

正直、ガエル・ガルシア・ベルナル目当てに行ったのですが(笑)、アメリカの、特にキリスト教社会の腐敗に歯がゆい思いを抱く人にとっては、文字通り快哉を叫ぶような映画で拾い物でした。「それ、キリスト教とちゃうやん!」と全世界のクリスチャンからツッコミまくられている、現代アメリカの保守的プロテスタンティズムの病巣を、見事にえぐりとった快作です。ひょっとすると、そういう特殊な目的、背景で描かれた映画なので、例えばこのいかにもステロタイプな「病んだ家族」が、「絵に描いたような幸せそうな家族」に見えてしまい、主人公の衝動がうまく伝わらない人もいるかもしれません。この映画は、この現代アメリカに深く巣食う病巣を、あくまで「この家庭の問題」ではなく全米に対する象徴的な寓話、警告として発しているので、個々の人間はその記号としてしか描かれていません。でも私に言わせると、これがかの名作「デッドマン」に対して、アメリカ社会が首うなだれて差し出してきた答え、なんだろうと思います。多民族国家の坩堝アメリカを「人類の壮大な実験」とうそぶく一握りのノー天気な人たちは、その抱え込んだ矛盾を隠蔽するばかりでついに修正する事なくココまで来てしまった。その結果、ジョニー・デップ扮するブレイクが「出てきた世界」の方が、自らの病巣をやっと直視せざるを得なくなった、わけです。

 ココから先はネタばれですが。
 例えば彼らの信仰によれば、銃で身を守る事、狩猟を楽しむ文化はキリスト教とは「別次元」の話です。何でそこで都合よく信仰を忘れてしまえるのか、部外者には本当に永遠の謎ですが(笑)。映画ではさすがにアーチェリーに変わっていましたが、仕留めた鹿の始末を妹にさせながら自分の弓の事しか気にしていない兄の無神経さ、あるいは主人公を家に迎え入れるにあたって、まるでやくざの兄弟仁義のようにアーチェリー場で「ともに汗をかこう」とする父の、コミュニケーションの節約(^_^;)は、彼らの中では開拓者精神にのっとった「かっこいい男」でしかありません。それから自分の夫に過去に女がいて、その人との間に子供がいて、(子供の肌の色で)その相手の女性がヒスパニックだとわかった妻が、その3つの中で1番ショックを受けたのは「ヒスパニックに触れた手で抱かれた」という事実です。ふつーに考えるとそれは人種差別以外の何ものでもなく、彼らの掲げている「主の下にあっては人類はみな兄弟姉妹」の人類は実はWASPでしかない、というのがここで露呈します。ほんとうはそういう弱いところがあってこそ神に愛される人間、の筈なんですが、普段から「博愛主義」を標榜し自分の感情を押し込めているせいで、こういう時生理的な拒否反応しか出てこないんですね。そっちのほうがよほど救いようがないと思うんですけど。それから主人公とその家の女の子の恋愛も、まるでロミオとジュリエットのように(笑)実に美しく、そして丁寧にたどられる恋、なのですが、その描写が丸ごと「性欲におぼれてはならない」という彼らの掲げる金科玉条へのアンチテーゼになっています。まあ妊娠はヤバいでしょうけど(^_^;)あのうっとりするほど幻想的で美しい映像を見ていると、コレのどこが淫らでいかがわしいんだか、アレはいけない、コレもいけないとその行為のいちいちをチェックしようとする目の方が、よほどヤらしいのではないかと思ってしまいます。 
 

 主人公は、自分達が兄妹であると隠し通しながら恋を成就させ、そのために弟を刺し、さらに罪を重ねていきますが、ガエル君はそれがごく自然な恋情からほとばしり出たものでも結果的に立派な復讐となっている、という厚みのある役どころを文字通り怪演しています。もしイエス・キリストが生きていたら後ろから飛び蹴りくらわしそうな「ご立派な」牧師に比べ(^_^;)、主人公の行いには微塵も卑屈なところがなく、実に清々しく正々堂々として見えますが、それはガエル君の強く美しく澄んだ瞳のおかげもあると思います。「かわいそうな私生児」である彼に思いっきり肩入れして見ていれば、映画の趣旨をあやまたず捕える事が出来ると思いますが、その意味でも彼の美しさは重要でした(笑)。

いやもう、あのセーラー服は反則ですって!!!!


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いじめっ子は英語が出来ない

 どうしたら簡単に英語の習得ができるのか。私の目下の最大の関心事はコレです(笑)。学生時代に浅学な私がぼんやり思っていた事は、例えば古典漢文も含めた日本語全般を習得するのが割と早ければ、言語学でいう所のパロールの部分がその分早期に体系づけられ、体系の違う言語を細部にとらわれず総体として見ることが出来、結果として英語を習得するのが早いかも・・・というものだったのですが(自分の経験から・(^_^;)。最近、日本人独特のもっと別な要因がある事に気がつきました。

 英語が出来ない、と言ってくる人の99%まで共通する特徴に「人の顔色をうかがう」というのがあります。別に数学やピアノを習う時だって先生の顔色はうかがうと思いますが、言語というのは最終的には自分の内面世界を表出するための道具ですから、使用目的は様々でも発信する時点では個人に帰するものです。それが相手に届いているかどうかという段階になって初めて「相手の顔色を見る」わけです。が、日本語は、膠着語という特殊な単語配列を使っているので(主語が出て、しばらくしてから述語が出る)、しばしばこの逆転が可能です。相手の顔色を見ながら途中で趣旨を変える、主語をあいまいにする、断定を推定・伝聞に変えることだって簡単です。ガイジンには「素晴しい言語だ!」と皮肉を込めてうらやましがられるのですが(笑)一方で、これでは自分の言語に対して個として向き合う、というメンタリティーがなかなか育ちません。それは、何事によらず「個としての責任は問われない」村社会のメンタリティーとぴったり合致していたのでますますそのように発展してきた、ということなのでしょうが。コミュニケーションのツールでありながら個性を表現するものではない、というのがごく普通の日本人の言語に対する認識なんだろうと思います。だから本当に妙な話ですが、日本人にとって英語で話すというのは、それが英語であるというだけで、自分を個として出さなくてはならない、いつもの自分の言語環境とはまったく違った、いわば「空手」の不安をむき出しにさせられるものなのです。

 お友達と一緒に仲良しこよしで英語塾に行ってもしゃべれるようにはならないのもそのためです。英語で話す、ということは多くの日本人にとっては「恥も外聞もかなぐり捨てる」作業であり、それは英語で話す限り延々と繰り広げられます。何でか。ガイジンにとっては「個性」として充分許容範囲のミスや発音も、「みんなの中で浮いていないか」という評価基準で自分自身を縛っている限り、もう百万年たっても合格点に達しない。文字通りしゃべればしゃべるほど「恥の上塗り」にしか思えなくなるからです。で、合格点に達するまで秘密練習に励むか、英語のしゃべれない日本人同士で英語でしゃべるかどっちかになるわけですが、それが言語であるがゆえに、ピアノや数学と違ってこの方法ではほぼ習得は望めないのもまた事実、なわけで。

 で、話がバーンと飛びますが、この「みんなの中で浮いていないか」という村社会の呪縛からいつまでも逃れられずにいる、という意味で特化した存在なのが、コンプレックスの裏返しである「いじめっ子」です。ネガティブな反応をするか、ポジティブに悪用するかの違いはあっても、それにとらわれ、他人の「目」から逃れられないでいる点では同じです。その場合、自分が「みんな」の方に入るかどうかは更にとても大切な事になります。しかし、英語という最初に結論を提示しなくてはならない(日本人にとっては)特殊な言語を介すると、語彙力や文章構成力以前に、話しながら「みんな」を探るという芸当が出来なくなります。これは繰り返しますが致命的に大変な事です。そもそも「個」としての存在が脆弱な人にとって、英語的構文で自分を表現するのは至難の業です。教員をしていた頃、よく「最初に『俺が』をつけて話して」と言っていましたが(そして最初に「俺」をつけても一人称にしなくてすむ逃げの手はいくらもあるのですが)、それで10分会話できる子は稀でした。不思議な事に、怒っている時は「俺が、俺が」を連発できるんですよね(笑)。怒りは突出したもの、一時的なものとして村では許容される唯一の「個」だったからかもしれません。怒っている時しか自分じゃないなんて「焼けたトタン屋根の上の猫」のような地獄絵図ですが、もし体力的に互角なら、そうやって海兵隊員とでも喧嘩しつつ英語を学ぶのも良いかもしれません(^_^;)

 閑話休題。つまり「英語が出来ない」というのと「いじめっ子になる」というのは日本においては同じメンタリティーの上に拠っている、という事なんですね。それなら、なかなか話せるようにならない、という事実をそれほど悲観しなくてもいいのではないかと私は思いますよ。皮肉でもなんでもなく、良くも悪くもそれが日本文化の骨子の部分なわけですから、多少のケアは出来ても骨抜きにはできない、そんな風に思う昨今です。

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2006年12月 2日 (土)

「転々」ロケレポ・簡単ですが

(1)11/28 浜田山近辺にて
偶然友人の家の近くで撮影があり、電話もらって飛んでいきました(笑)。三浦氏が、いったい誰なのかしばらくわからずにいたくらい、特に後姿がすごい変貌ぶりでびっくり。オダギリ氏はいつも通りエラくラフな格好でしたが、そのまま出演していたので更にびっくり(笑) あんまりふつーで、ふと気がつくと良く似たスタッフさんを目で追ってましたよv(一人、とても背格好が似ている方がいるのです)どこにいてもすぐわかるのは監督。そして監督は、私が原作を読んで想像していた「借金取り」のイメージにぴったりでした・・・ええ、時効の時よりパワーアップしてましたよ(笑) 友人のお子さんを迎えに行く時間となり、途中で見学終了。

(2)11/30 昼 文化○子大前
研修の合間に見学。いや、サボっていませんよ(笑) 上から見ていたんですから。それで実はお顔がよくわからなかったんですが、黒髪長髪美女が登場していました・・・え~彼女が元ス○リッパー???それはいくらなんでもカワイソすぎ・・・?それから、特筆すべきはオダギリ氏、それ、私服でしょっっ(大爆笑)時効警察のスタジオに着て来ていた時は、さすがに足元はウェスタンブーツでしたが、上はインまで同じ。その時三木監督に「かっこいいねそれ」と冷やかし半分で褒められていましたから、「アレにしましょうか」的な会話があったかも知れず。わかりませんが(おい)。  
 この日実は夜に某「新○の母」前で(笑)ロケがあり、エキストラに呼んで頂いていたのですがどうにも体調不良で、友人たちにピンチヒッターを頼みました。寒い中、夜中近くまで吹きっさらしに立ちっぱなしだった由、ほんとにゴメンナサイでしたm(_ _)m

 次回、有難い事に12/5のエキストラに呼んで頂いております。それまでに1本でも2本でも翻訳仕上げて(泣)今度こそ万全の体調で望みたいと思います・・・。

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「東京タワー」公開決定

公式より。

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
2007年4月14日(土)に 全国公開決定となりました。
公開を楽しみにお待ちください!

2006.12.01  12月9日(土)より、前売鑑賞券発売開始!
公開日決定にともない、12月9日(土)より、劇場窓口にて、 前売り鑑賞券が発売されます。
*リリー・フランキーさんがデザインした   「東京タワー一家」(オカンタワー、ボクタワー、オトンタワー)の   可愛いピンバッジがついてきます。

この「ボクタワー」、ツボに入りました。ヤバい(笑)   前売りする劇場一覧はこちら

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2006年12月 1日 (金)

訃報

テレビの「ウルトラマン」シリーズや映画「帝都物語」で知られる映画監督の実相寺昭雄(じっそうじ・あきお)氏が11月29日午後11時45分、胃がんのため都内の病院で死去した。69歳。東京都出身。喪主は妻知佐子(ちさこ)さん(女優原知佐子)。  早大卒業後、ラジオ東京(現TBS)に入社。60年代に「ウルトラマン」などの演出を手掛け、独特の照明技術を駆使した陰影のある映像で、日本の特撮映像の第一人者となった。69年に「宵闇せまれば」で映画監督としてデビュー。TBSを退社して実相寺プロを設立し、情緒的なエロチシズムの中に人間の本性を描いた「無常」でロカルノ国際映画祭グランプリを獲得した。  88年には作家荒俣宏さん(59)の幻想小説「帝都物語」を、05年には京極夏彦さん(43)の「姑獲鳥(うぶめ)の夏」を映画化。70年代に演出した特撮番組のリメーク映画「シルバー假面」を完成させたばかりだった。  オペラの演出も手掛けたほか、著書に「星の林に月の舟」「ウルトラマン誕生」などがある。東京芸大名誉教授で、鉄道ファンとしても知られた。「ウルトラマン」でヒロインを演じた桜井浩子(60)は「特撮よりも人間を主体に撮って、映像にも手作り感がありました。監督の精神は後の世代に引き継がれていくと思う」としのんだ。

(日刊スポーツ)


監督のご逝去を心から惜しみ、ご冥福をお祈り致します。
世に反骨、反逆の士は星の数ほど登場し、もはやそれだけでは珍しくもかっこよくもなくなってしまった昨今ですが、そのアバンギャルドが後の世に「古典」として残るほど筋の通ったまともな「反逆」を完遂した人を、私は数えるほどしか知りません。その1人がモーツァルトであり、忌野清志郎であり、この実相寺監督でした。
私がこの監督を心の底から敬愛するのは、人間はうすぎたなくエロくどうしようもなく情けない存在である事を知り尽くしていながらなお「しょうがねぇなぁ」とでも言いたげな、優しいまなざしを人にむけ続けている所です。変身スティックのかわりにスプーン突き出しちゃったハヤタ隊員も、美しくも淫猥な老醜も、帝都の底にのたうちまわる咆哮も、消されゆくもの達の叫びも、宇宙の墓場に連れられていった怪獣も、一見奇を衒った只の意匠にしか見えなくても、それはただの思いつきやカッコつけ、破れかぶれや行き当たりばったりでは決してなく、監督の中ではきちんと最後まで出来上がっている世界の一部でしかないのであり、そのどこをとっても「正統」なのです。
 だから、クラシックオタクしか知らない事かもしれませんが、監督の演出するモーツァルトのオペラは本当に素晴しかった。あれほど確固たる宇宙を築き上げなければモーツァルトには太刀打ちできないのか、という意味で目から鱗でしたし、当時の反逆児の代表格だったモーツァルトは同士を得たとばかりに天界で快哉を叫んでいたかもしれません。

 監督の人並み外れた度量の大きさからくる、「人」への慈愛に満ちたまなざし。怪獣の行く末に涙し、ハヤタ隊員の苦しみに心を寄せ、監督を通して、人の心の奥底に息づく温かさを肌身に感じて育ってきた私達は、本当に幸せだったのだと思います。この正統が長く後代に伝えられていく事を祈りつつ。



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