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2006年8月 5日 (土)

「彰義隊後日譚」@め組

Assassin 劇団め組公演「ASSASSIN(アサシン)彰義隊後日譚」見て参りました~公式サイトは写真からどうぞ。






 ファンの皆様ほんとーにすみません!えー、実家の父と何故か懇意に「して下さっている」方がお一人中にいらっしゃるのですが(^_^;)、その方が今回私の分までチケットを押さえて下さいまして、何と父と2人、労せずしてスゴイ良い席を買えてしまいました。ほんとにすみません。でもおかげさまで久しぶりに大掛かりな生の舞台を堪能できました。そして私はともかく父は、戦後まもなく教科書を墨で塗りつぶした世代ですから、たぶん彰義隊と新撰組の区別すらついてないと思うんですが(いいよいいよ、だいたい合ってるよ~涙)、その父がとても面白そうに見ていたのが余計にオドロキでした。いや、良かったですv
 見慣れた人にとってはある意味セオリーなんですが、時代劇って、義理や立場や建前といった、今ではあんまり使われない理由のために人が斬られて死んでいきます。水戸黄門や桃太郎侍あたりだと勧善懲悪で済んじゃいますが、今回の本のように、死んだ者と生き残った者、役目を生かす者と捨てた者、恨みを持つ者と捨てた者、それを代わりに晴らす者、といった人情や恩義の絡んだ話だと、正直、何でその人が死ななきゃいけないのか、その人が死ぬ事で何の役に立つのか、誰の体面が保たれるのか、一挙にわかりにくくなるものなのですが、この脚本は、そのあたりの描写や段取りがとても丁寧で、それがすごくよかった。普通の商業演劇だったら「察してくれ!」といわんばかりにポンと客に預けてしまう所を、少なくとも二段階分くらいは(^_^;)放り投げずに舞台で引き受けてきちんと描き出していましたよ。だから何人も人が死ぬのに、それが各人の終わり方として、見ているこちらにすとんと収まって落ち着きがいい。結構特殊な背景でわかりにくい難しい主題だったと思うんですが、それが功を奏して最後までとても自然に流れて行ったし、よくこれだけたくさん書き込んだなぁと、途中からは感心しっぱなしでした。

 それと、これは最近の新進作家のお芝居全般に言えることですが、せりふの置き方や話の運び方、場面の切り方なんがいかにも漫画世代だなぁというところが今日もやっぱり面白かったです。それがいい悪いではなく、例えば、漫画だとここは2人の横顔アップvvという所で、後ろに所在無げに佇む役者さん達が嫌でも目に入ってきて、いや、でもまさかここでみんなを消すわけにもいかないしなぁと(笑)作者さんに同情しつつもついつい笑っちゃいまして。漫画は、コマに描いていない人物でもそこに居ます、っていうのはアリですから、そんな細かい事まで考えず、主人公達の感情の起伏そのままに話を組立てて流していくんですけど、芝居だと、舞台全部が常にお客さんに見えてる(笑)のでぶっちゃけタイヘンなんですよ。そんなの脚本のキホンじゃん、とか思われるかもしれませんが、確かに小説は、その場面にいる人については逐一何らかの形で書き込まなければ成り立ちませんが、漫画はその場に必要な情報だけ取り出して組立てて行くものですから、それで育った今の若い人には「その他の部分の処理」っていうのは実はモノスゴク難しいんです。ヤバいところは写さなくてもいいハズの映画でさえ、話に対して都合が良すぎて却って破綻している(笑)脚本にしょっちゅうお目にかかるくらいですから、舞台はなおさらもっとタイヘンです。これは若い人に頑張ってくださいというより、これからの演劇や芝居はそういうパッチワークの妙を楽しむものになるのだ、と、見ているこちらの方が気持ちを入れ替えたほうがいいんじゃないかと思うくらいですが。
 まぁ、それもまた愉し、ですvv



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