« 花よりもなほ | トップページ | インプリント ぼっけぇ きょうてぇ »

2006年6月 9日 (金)

Short shorts film festival 2006

Image_s 今年で第8回目を迎えるショートショート フィルムフェスティバル(SSFF)にン年ぶりに(笑)行って参りました。公式サイトはこちら

私が行ってきたのは、その中でも今年3回目の開催となるショートショート フィルムフェスティバルアジア (SSFFA)のナショナル(日本)部門でした。昔は、学生さんや素人監督が多かったんですが、今は、「メンズビューティーン」のCM園田監督を筆頭に(昨年度アワード受賞)、「アイロン」でカンヌのヤング批評家賞勝ち取った中野監督、大阪の鬼才田中健詞監督、変わったところでは舞台芸術の渡辺敦彦氏など、各所で既にプロの映像作家として名前が確立している方々の、映画界への足がかりといった様相を呈しているようです。まるで"10minutes older"のような、贅沢な映像の祭典でした。以下感想vv 公式で各監督の略歴と作品の一部が見られますので、是非御覧下さい。

National-C プログラム
「ポメラネグロ」萩原健太郎
・そつなく課題をこなせる監督。創作畑と商業畑に分けるなら間違いなく後者。でもそれも得がたい才能です。
「Seeker」柴山由貴子
・この日見た全作品の中で一番観客に顔が向いていた作品。独善的に陥りがちな創作フィルムにあって、この監督の丁寧に意識された姿勢はとても好きでした。次回作に期待します(これが卒業制作なんだそうで)。
「漆黒の枇杷」小牟田透
・いわゆる学生フィルム。部屋でお友達と撮ったものなんですが、発想が手垢ものだったり脚本がご都合主義だったり俳優が演技していなかったりカメラワークが3種類しかなかったりすると・・・寝ちゃうよねぇ、という典型。長かった。
「Kick-the-Can」藤原光暁
・「電車男」クンが出ていました。この監督も映像というゲームをこなす術に長けてはいても、自分の中に物語を持たない人でした。
「腕の中の卵塔」天野邪子
・最初男の監督が撮ったんだと思いました。自分の中で性と生殖が繋がらずにもてあましている気分がそのまま映像となってたからです。AV監督歴が長いそうですが、作品よりも、作品から窺える監督の「抑圧と放擲」という一風変わった原風景に興味が湧きました。
「田中」Clayton Jacobson
・コメディということでしたが、じわっと笑えてしみじみ感動を味わえる逸品でした。ホモセクシュアルというものにぶち当たった時の普通の人の思いを描いた映像は数限りなくありますけれど、死がもたらす「赦し」によって、人の繋がりが「再生」される様子を丁寧にあたたかく描き、それが決して絵空事ではなく真剣だからこそ笑いを誘う、という所が本当に凄いと思いました。DVDになるなら買いたいと思った唯一の作品。

National-B プログラム
「シロタク」「東京天使」園田俊郎
・前者は明らかに「ショートショート」な世界ですが、「東京天使」はもういつ長尺になってもいいくらい、脚本構成がしっかり出来上がっていました。その拡張する世界の醍醐味をむしろ堪能させてもらいました。CMももちろん凄いですが、たぶん風呂敷が大きいほど本領発揮できる方のではないかと。
「ハピネス」松浦善之助
・あざとさとは正反対にある端正な映像に感動しました。演技のない映像の中から感情を掬いとってみせる監督の感性はため息ものです。プロフィール見て物凄く納得。
「スシ・ジャパン」田中健詞
・とにかく面白かった(笑)。いかようにもキレイにできる所をあえて勢いでぶっ飛ばしている「ように見える」完成度の高さはさすがプロです。ここまで来ると、もう見ている人に策を悟られるようでは問題外、なんでしょう。
「折り紙」奥田寛
・題材の撮り方が秀逸で目から鱗でした。絶対海外でうけるだろうなと思った作品。っていうか知り合いのガイジンにこれ見せていばりたい(笑)。ありきたりの折り紙でない所もよかったです。ダックスフントってvv
「旅話」Mack Wilson
・この監督自身が「電波少年」やった記録ですin Japan 。100時間あるフィルムを5分に縮めたと壇上で語る監督自身が一番面白かったv
「Resonance of Tears」渡辺敦彦
・今まで見てきた幾多の「桜の園」の舞台が目の前の映像の上に幾重にも何層にも重なって見えて、大変濃厚な贅沢な時間をたっぷり味わわせてもらえました。消えゆく世界への追悼というテーマが2重の意味でかぶせられている所にも、諦めでもため息でもない凛とした姿勢を感じました。そして壇上の挨拶を聞いてびっくり、ほんとうは映画ならスターウォーズのようなのが撮りたいんだそうで。そんなの撮ったら会場に来ていた煌びやかなお取り巻きのおば様たちが泣いちゃいますよ、監督(笑)

National-A プログラム
「RE:CYCLE」「アイロン」中野裕之
・前者はシネカノンあたりが大好きな、少女とコップのリサイクル(笑)ファンタジー。これをさらっと可愛く撮る、そのテンポの良さと処理の上手さに感心しました。後者はガイジン的「日本の美学」。Japanマニアの秘孔を突きまくっていますvv 日本人の私たちはこの滑稽なほど端正で生真面目でHの前にはビバルディをBGMにティッシュにまでアイロンかけちゃう筋金入りのヤの字アイロニスト(セナに背負ったはスモウトリ!)見て大爆笑・・・して良いんでしょうかね、監督?!
「La Belle Dames Sans Merci」大根田英俊
・キーツはこの長ーい詩で、「真の美に遭遇すること」が人生にもたらす価値とその意味について寓話的に語っている・・・事になっていますが(^_^;)監督はその寓意を映像処理で顕しつつ、たいへん美しい叙事詩に仕立て上げました。そういう風に読めるからこそ日本人はキーツや白居易が大好きなんですが、本国の人にはちょっとびっくり(笑)らしいです。私はこの監督が美しいと思って焦点を当てているポイントのひとつひとつに、とても共感する所が多かったです。当然と言えば当然ですが、耳にキーツの詩が流れてくるのもBGMとして本当に心地よかった(笑)原詩と挿絵が載っている割とわかりやすいサイトはこちら
「願いは叶う」大隈いちろう
・この監督のブログ と主催のショートフィルム製作チーム「デフロスターズ」をまずは御覧下さい(笑) たった4分ですが、とても間が良くて隙がなくて持っていき方もよく考えられていて、最後これ以上ないほどお馬鹿なネタなのに大爆笑してしまいましたvvそしてさらに、上映後監督のほかの作品の話とか是非聞きたくて質疑応答に手を挙げかけたら、作品以上に監督のトークが面白くて(笑)みんな一気に「この監督にもっとしゃべらせたいモード」になってましたvvちなみに週一ペースで次々に(!)作品が生み出されているそうです。次作は「携帯なしでさまよう大都会と言う名のジャングル冒険もの青春編」とか。  場内の空気を一人で一変させた監督、役者としてもきっとスゴいんだろうと思います・・・もっと見たいvv
「SWAN LAKE」小野寺昭憲
・監督ご自身がハードボイルド向けの御かんばせでvv主役としてご出演、素敵でした。そして松田優作や北方謙三ファンなら夢の中で何千回も繰り返しているであろう(笑)お約束の映像を、茶化さずまじめに丹念に撮っていて、その緻密さに頭が下がりました。かっこいいだけの映画ですが、それがちゃんとかっこいい所が凄い。あととてもタイヘンな役で出演した監督の奥様が会場にいらしていて、映画監督の奥さんってほんとにタイヘンだとしみじみ思いました・・・・

|

« 花よりもなほ | トップページ | インプリント ぼっけぇ きょうてぇ »

コメント

明日以降、楽しみにしてます!

投稿: 黒桃 | 2006年6月 8日 (木) 21時21分

いつも本当に有難うございます。
頑張りますvv

投稿: contessa | 2006年6月 9日 (金) 01時15分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/103190/10436331

この記事へのトラックバック一覧です: Short shorts film festival 2006:

« 花よりもなほ | トップページ | インプリント ぼっけぇ きょうてぇ »