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2006年6月10日 (土)

インプリント ぼっけぇ きょうてぇ

Inprint_1「ぼっけぇ きょうてぇ」ものを見てしまひました・・・(^_^;)公式サイトはこちら
 アメリカのケーブルTV 「Show Time」の企画『マスターズ・オブ・ホラー/恐ー1グランプリ』に三池崇史監督が出品したアメリカデビュー作。全編英語で日本語字幕付。あまりに衝撃的な内容にアメリカでは公開されず、日本でも映画館には掛かっていますが映倫マークは付いてませんでした(^_^;) シアター・イメージフォーラムでレイトショーのみ公開中。

 原作は岩井志摩子さんの「ぼっけぇ きょうてぇ」。短編では異例の第13回山本周五郎賞と第6回日本ホラー小説大賞をW受賞した名作です。私は怖い話は大嫌いですが、この原作は怖さよりもおぞましさよりも、描かれた世界の持つ力に本当に目が離せませんでした。このうえなく「嫌な話」ですけれど、日本人なら知らぬではすまない、どころか絶対に知っているはずの、ついこの間まで日常と背中合わせに存在していた暗渠のような世界。その闇と狂気が確かに自分の中にも埋められている、それを容赦なく暴かれる戦慄と、その上に築き上げられたと知っていて尚湧き起るその懶惰な「美しさ」への強烈な憧憬と。露悪的な私小説の伝統やいわゆる「耽美派」作家によっても今まで決して書かれなかった、これも、「日本文化」です。

 映画は、アメリカで発表するという条件から、原作の岡山にはこだわらず、もし明治時代に日本が英米の植民地だったらという設定で架空の場所になっています。で更に、日本という英語圏に生まれるであろう「日本語なまりの英語」で話が進みます。これが原作の岡山弁と同じような位相のズレ「異界感」を際立たせていました

・・・・と、冷静に書けるのはここまで。


ほんっとーーーーーーに

コワかった~~~~~(号泣)



三池監督作品だということをスッカリ忘れていた自分を、開始15分でハゲシク後悔しました。実は見に行ったのは6/6で、こうして4日経ったから字に書こうと思えるわけで(^_^;)「三池さんの”インプリント~”を観た夜、悪夢をみたほどだったよ」と、『悪魔のいけにえ』のトビー・フーパー監督が言っていたそうですが、心の底から同情しますね(-_-;)私も昨日FNSの朝のワイドショーで笠井アナウンサーが「見た!」と話しているのを聞いて、やっとあの「おぞましさ」から離れて客観的に映画を見つめる事ができるようになりました。それまではなんかもう、津波に取り込まれて息が出来なくなっている状態。それをなんとか乗り越えれば、たとえばまず衣装、じゃなくて意匠がvvあの北村道子女史でそれが本当に凄い艶やかさだった。映画の中で衣装がもう一人の「役者」になってて、その語らぬ言葉が胸締め付けられるほど美しくおぞましかった。あと岩井さんが役者として登場。拷問担当という因業な役なんですが、それに対する思い切り、吹っ切れ方が原作者、でした。欠片でも同情や憐憫があれば絶対に描ききる事が出来ない、この厳しい題材に向かっていた時の岩井さんの執念と気迫が、そのままその腕に込められているようで、そこから思わず目をそむけてしまうのは私がただの読者に過ぎないからだと、思い知らされましたです。

 もう一度見たいんですが、これのDVDを家に置いておくのは絶対に嫌です(涙) 映倫、通らないだろうなぁ~~~(^_^;)

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コメント

きょうてえ、きょうてえ。

センセーショナルなネタを提供することで市民の気を惹くことが目的の報道により、あたかも現代社会は子供を虐待する親が増えてるかのような幻想をお持ちの方々に、ぜひ見て頂きたいものです。
ちょっと前の日本は、こんなもんじゃった、と。

なんでも、民俗学者の柳田国男さんによると、全ての家に男女ひとりずつの子供がいるという村があったそうです。まるで刈り揃えたかのように(笑)。

きょうてえ、きょうてえ。

てなわけで、TBありがとうございました。

投稿: にら | 2006年10月 4日 (水) 17時28分

コメント有難うございます。

にら様の絵を映画評で拝見した時には、アノ戦慄がまざまざと身の内によみがえりましたよ(^_^;) イタそうです、ほんとに!

>ちょっと前の日本
たとえば歌舞伎なんかも、絢爛豪華な世界ですが、本当にこの伏せられた闇からにじり上がってきたようなものですよね。それで、というか、だからこそ壮絶に美しいのかもしれませんが。

あと、全く関係ないんですが
知人がケースワーカーをやっている、とある地域の特別老人ホームは、必ず毎月10人前後のお葬式が出て、いれかわりに必ず新入会者が来て、大変に健全経営なんだそうですよ・・・ きょうてぇ(笑)

投稿: contessa | 2006年10月 5日 (木) 00時07分

こんばんは、contessaさん!
これ、見ていらしたんですね、もらったTBから見て知りました。
いやはや、意外でした、contessaさんがこれを見たとは。
でも、そうですね、この映像美が、自分にはかなりのツボでして・・・
私はとってもハマってしまったのですが・・・^^;ははは

投稿: とらねこ | 2006年11月 6日 (月) 20時07分

とらねこさん、こんばんはv
携帯からコメントするのがそろそろ面倒になってきました(笑)

そうなんです、これは、なんというか「間違って見てしまった」に近かったと思います(^_^;)原作は本当に素晴しいと思っていたのですが、絵にされて初めて、その闇の深さが見えたというか、そこまで見たくなかったというか(泣)
とらねこさんはこれにハマったのですねv ひょっとして乱歩とか、稲垣足穂とか、お好きでしょうか・・・あれも西洋のデカダンスに似ているようでいて、ひとつの日本独特の美意識、ですよね。

投稿: contessa | 2006年11月 6日 (月) 20時31分

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