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2006年5月22日 (月)

ジャケット

321944view001「ジャケット」見てきました~公式サイトはこちら



 凄く良かった!凄く凄く良かった!!んですけれど、誰にでもは薦められない映画です。いわゆる「大人のための童話」。ジャンル分けすればたぶんラブストーリー、ですが、そして、エロ・グロ・ナンセンスと言った類のものは一切ありませんが。
 まず精神的に追い詰められやすい人、感覚的衝撃にショックを受けやすい人、過去に精神的な疾病を経験した人、現在精神状態かなり不安定な人、あと閉所恐怖症の人には絶対お薦めしません。途中見ていられなくて気分悪くなると思います。ネタバレ防ぐためなのか、そういう具体的な注意がサイトにもプログラムにも全くなされていないのでご注意を。

 公式に書いてあるからここに書いてもいいと思うんですが、大変にエグい「のび太君の机の引き出し」が出てきます。ドラえもんが出て来る、例のあの引き出し。そのエグさが本当に容赦ないです(上記の方たちにこの映画をお薦めできない理由がこれです)。でもそこを見ていられないからといって目をつぶってしまうと、映画は大変に薄っぺらなものになってしまいます。ある意味この徹底した「残虐性」が、おとぎ話から予定調和を削り取り、そこに現実の人間をガンガン刻み付けるための「なた」だったのだろうと思います。決死の思いで大鉈をふるった監督に大拍手、です。

 そして本当に精神的にコタえるシーンが延々と続く中で、救いとなるのがエイドリアン・ブロディの顔、です。緊張を強いられ続けるこちらの心が、一瞬にしてほぐれる、柔らかく暖かな笑顔。もうこの人でなければ、さすがの私も視覚的にツラくて席立っていたかもしれません。この主人公が「一寸先にある闇」を自分の力で切り開いていく様には、感動を通り越して戦慄が走ります。その持つ願いの、力の、重さ。それがあの笑顔の下にあるからこそリアリティがあるんですね。普通の子供好きの青年に宿る、命の、精神の、魂の鋼のような強靭さ。その命の「重さ」が、この映画の根幹を成すテーマだと、ブロディ氏は全身で訴えてきます。その魂の切なさ、いとおしさは、ファンタジーという形で抽出されなければ一生見る事が無かったと思えるほど、残酷なまでに剥き出しでした。あと、相手役のキーラ・ナイトレイも、陳腐な言い方で申し訳ないのですが、この救いようのない主人公にとっての悪魔であり天使という振れ幅の広い役を、一切破綻させずに熱演していました。この緻密に練り上げられた脚本に唯一綻びが生じるとすれば、それはこの女性の「存在の仕方」だったのですが、見事に一人の人格としてまとめ上げていました。そしてもう一人、しっかり者のかわいい女の子。世界を救うのは少女だ、というのが宮崎アニメの共通主題だそうですが、この女の子は、本当に少女独特の、正しく力強く突き進むまぶしいほどの生きる力に満ち溢れています。ある意味彼女が一番のキーパーソンなのですが、その存在が主人公の、観客の、救いです。


何を書いてもネタバレになりそうなのですが、一言だけ。
最後はエンドロール見ながら涙が止まりませんでした。

気持ちに余裕のある方に、是非お薦めします。



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