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2006年5月31日 (水)

「パピリオン山椒魚」

Chirashi_f_1試写会で、拝見してきました。公式サイトはこちら







 「ビッグリバー」の公開初日に行った映画館で、たまたまその日からこの映画の「予告編」を流していまして。その予告が物凄くよく計算されつくした緻密なショットの連続で、しかも内容がいかにも馬鹿馬鹿しそうだったので(笑)、久しぶりに期待に胸躍らせながら見に行きました。すっっっっごい面白かったですvv
試写会の舞台挨拶で、出演者の皆さんがさんざんオドしていますが、構えて見に行くと拍子抜けすると思います。謎に満ちた公式ブログも誰かさんの放送禁止用語もvいったん全部頭から外して素で見て下さい。何も考えずに画面指差して笑って楽しめるラブコメです。最近「時効警察」見ていたので頭がゆる~くなってたんですが、これは以前からある本来の速度(笑)。それもハリウッドやワーナークラスではなく、まさしく「花やしき」速度vv その心地よさに、監督の計算が光ってます。その中では破綻や不条理すらも意匠のひとつでしかなく、よくある「おもちゃ箱ひっくり返したようなドタバタ」に比べると、むしろたいへんに知的に洗練された映画でした。
 あづきちゃん役の香椎由宇さんと、菊池成孔さんの音楽が、この監督のもつ知的な部分を一身に受け止めて、映画全体を下から押し上げている・・・とすれば、その上で暴れまわっているのがオダギリジョーでした(笑)雑誌の写真をご覧になった方はお分かりだと思うんですが、物凄く振れ幅の大きい役、なんですよ。役の中でもシーンごとにあらゆる面を表に出してこなくてはならない。見ながら、他に誰ならこの役に「成れる」だろうと考えていましたが、やはり今、飛島芳一になれるのはオダギリジョーしかいないでしょう。この人でないとできない役です。「ゆれる」にオダギリ氏の演技力の「高さ」が出ているとすれば、「山椒魚」にはその「広さ」が出ている。富士山みたいに裾野が広い(笑)。私からすれば、こちらも同じくオダギリ20代の総決算、という感じです。

 試写会挨拶の菊池さんのファンへのメッセージは当たっているカモしれないのですが(^_^;)、構えず広くふつーの方々に大いにお薦めしたい映画です。予告の期待を裏切らないです。



余談:結果オーライ、なんですが、この脚本は元はもっと「突き抜けてトンデモナイ話」だったのではないかと思われるフシが多々あります。それを何が何でも撮りきるたとえば清順監督のような胆力は、まだこの監督にはないのかもしれませんし、もっと外側の理由で「小さくまとまってしまった」のかもしれません。そのあたりはよくわかりませんが、この監督は、ドタバタの、大騒ぎの、はるか彼方に、ひっそりとした知性を感じさせるものがあると思います。次回作、そちらにも期待します。

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コメント

こんばんは。
先日はミクシィメッセージのレスをありがとうございました。
というわけで再チャレンジ。
とにかく、ノリノリで楽しげなオダジョーがほほえましかったです。監督のコメントを読むと、構想とのギャップを感じてしまう出来映えではありましたが、そういうのを抜きにしたら楽しい映画でした♪
図々しくもクールな18歳ヒロインに感情移入してしまったのは、相手役がオダジョーだったからに他ならないかも・・・と思ったり。

フィルメックスの『叫』のゲストに来てくれないかなぁ・・・。

投稿: かえる | 2006年10月31日 (火) 00時50分

かえるさん

何度もすみません。コメント有り難うございました。
オダギリ氏楽しそうでしたか?それはもうむちゃくちゃ楽しかっただろうと思いますよ(笑)
あづきちゃん視点で見れば、そんなにわけわからない映画でもなかったのではないかとv

舞台挨拶、「叫」ではなく「HAZARD」の方に来るらしいですよ。私はどちらもチケットを得るべく頑張るつもりでおりますが、果たして如何相成りますか。

投稿: contessa | 2006年11月 1日 (水) 14時07分

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» 『パビリオン山椒魚』 [かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY]
そんなにパビリオンでもなかった。が、期待していなかった分、楽しめましたっ。 レントゲン技師、飛島芳一のもとに、サラマンドル・キンジロー財団が所有する動物国宝、オオサンショウウオのキンジローを盗み出し、本物かどうかレントゲン撮影してほしいという依頼が舞い込んだ。なかなか楽しかった。ジェットコースタームービーというほどにハイテンポでもなくハチャメチャでもなかったかな。もう少しスピード感があった方がよかったけれど、独りよがりに支離滅裂でもなかったと思うし、主軸ストーリーは破綻していなかったので、ちゃ... [続きを読む]

受信: 2006年10月15日 (日) 12時11分

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