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2006年5月29日 (月)

「下妻物語」カンヌJr.受賞

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【カンヌ27日】第59回カンヌ国際映画祭と同時進行で行われている若者向け映画を対象にしたカンヌJr.フェスティバルのコンペ部門受賞作が27日、発表され、女優、深田恭子(23)と土屋アンナ(22)がW主演した映画「下妻物語」(中島哲也監督)がグランプリを受賞した。  同コンペのグランプリは邦画初。今年は8作品がノミネートされ、10歳から18歳の10人の学生審査員全員一致での受賞となった。中島監督は「ロココのおひざ元であるフランスで全会一致でグランプリに選ばれたことは、大変光栄です」と喜びのコメント。映画は6月14日から仏で邦画過去最大規模となる約100館で上映されることが決定している。 (サンケイスポーツ) - 5月29日8時2分更新 (___は私がつけました)

 この映画が公開された時、実は凄く可愛い桃子Dollがタイアップ販売されてまして、私はそちらに目を奪われていたのですが。その限定販売の嵐が落ち着いた頃、映画を見に行ってとてもびっくりしたのを覚えています・・・面白かった。物凄くマニアな主題の、それまでだったらごく一部の映画館でひっそりと公開されていたような「フツーの人は見向きもしない話」が、見た人みんなを惹きつけて離さない、大ヒツト映画になっていた。「単館系ロードショー映画」とでも言うべきか。しばらく見ない間に映画が凄い事になってる、とその時私は強烈に引きつけられました・・・そしてその後しばらく何本か見て、それはやっぱり錯覚だった、っていうか中島監督が一人で気を吐いていただけだったんだということがよくわかりましたが。

 映画賞を取った映画が、全然ヒットしない時代が続いています。賞取ったから、って見に行くと、緻密さに欠けているせいでむやみに難解だったり、監督の自己満足になっていたり、映像の実験に終わってたりして、その1800円を稼ぎ出すための観客の汗に、全然応えてくれない場合が多いです。そして面白いことが恥ずかしいかのような、薄っぺらな「ええかっこしい」でその映画を持ち上げる人たち。いい映画で、ヒットしないものも確かにありますが、でも、だからといって「売れない映画がいい映画だ」というのもマチガイだと思うんですよね。その二つは決して二律背反するものではない。中島監督というヒトは、それが本当によくわかっている監督だと思います。
 だいたい、観客はそこまで馬鹿じゃないですよ。エグい主題でも哲学的な内容でも、それを「表現」するという抽象的な作業に、たとえばきちんとした想像力と確固とした創造性さえ付加されていれば、それは多くのヒトの心に間違いなく届きます。有り体に言って、自分に対してしか広がっていかない想像力や、過去の栄光の「轍を踏む」ような創造性では、「何かを伝える」事はできない、と思うんですよね。「わかってもらえるヒトにだけわかってもらえればいい」という、ミューズの神にだけ顔を向けた、ある種傲慢な姿勢が、果たしてどれだけの「珠玉の作品」を生み出してきたのか。

 「歌舞伎」は、簡単に言ってしまえば毎度おなじみのパターンばかりが繰り返される、手垢にまみれた大衆演劇です。でもそれだけ徹底的に観客のほうを向いていながらも、実は今の近代演劇では描ききれないような深い主題を扱っている。体の骨格はもちろんのこと、せりふから仕草から声色まで指定されている筈の役者の「それぞれの持ち味」が、同じ芝居を千変万化させ、それを醍醐味として受け止める客がいる。

 映画と観客の関係も、これから、もっと良くなっていく筈だ、と私は思っています。映画はここ5~6年で本当に観客の目が肥えてきつつあります。シネコンやロードショーに背を向ける前に、もっと「観客の目」を意識した作品が増えるといいと思います・・・単館映画館でしかかからない映画がずっと大好きだった私にとって、単館映画館でしか「かけられない」映画が増えてきた事は、本当にむなしく、つまらないことですので。


 

 

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コメント

下妻物語は見たことがないのですが
タナカヒロシのすべてといい、
オペレッタ狸御殿といい、
公開未定の蟲師といい、
小椋事務所って
チャレンジ精神旺盛な会社ですよね。

投稿: 黒桃 | 2006年5月30日 (火) 10時38分

黒桃さん

今晩出かけようかホンキで悩みぬいているcontessaです(時間が遅すぎる~)。
下妻は、実は昨晩TBS系列の地上波で放映していたんですよ。私も何年かぶりに見ました。

そしてそして、こういうチャレンジャーな(笑)事務所様のおかげで
映画の可能性も広がり観客層も厚くなっていくのだと
私も本当に思いますです
・・・あ、オダギリファンなのか、この事務所(殴)

投稿: contessa | 2006年5月30日 (火) 15時02分

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