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2006年3月25日 (土)

マンダレイ

mandaley マンダレイ、見てきました。公式サイトはこちら




 

 この作品は先年発表された「ドック・ヴィル」に続く第2部です。あの映画の中に舞台を造る独特の設定も、舞台を意識したライティングが印象的な映像も、そのままです。ただ、話自体は独立していますし、主演女優も変わっていますので、単独の作品としても楽しめます。
 話の内容は、南部の農場を舞台に展開される、人種差別に関する寓話、です。監督はデンマーク人。アメリカには行った事がないそうですが、この問題に関しては、ひょっとしたら行って取材したほうが良かったかもしれません。「舞台」という設定も、「寓話」仕立ての話運びも、問題の枝葉末節をそぎ落として「核」のみを暴きたて抽出するには、たいへんよい作法だと思うのですが、その切り落とし方、焦点の当て方を間違えると、なまじ抽象的であるだけにステロタイプに陥ってしまうからです。手垢にまみれた課題だからこそ、実はそういう装置をを介して「彼岸の火事」にしてはいけなかったのではないか、と「クラッシュ」を観た今はそう思います。最終章の「奴隷的民主主義」の誤謬、など、もしこれと当時の「WASP的真理」の共通点に「寓話的に」焦点を当てれば、その根の深さはおのずと浮かび上がり、寓話は「普遍」となったかもしれません。そういう切り口の甘さ、簡単さは、ひょっとするとこれが3部作の1つでしかない、民主主義の不毛だけを描きたいわけではない、という監督の意思の表れかもしれませんが、今は、第3部に期待しますとしか言いようがありません。

重畳なナレーションが、登場人物も背景も逐次説明してくれます。事実認識に多少温度差を感じるかもしれませんが、彼の国にあふれる情報を知識として自分の中で整理つけられずお困りならば、目録として、たいへんすっきりさせてくれる映画だと思います。

そしてこの映画は、ここのブログでお声かけ下さったYukoさんとご一緒して頂きました。オダギリ初心者ファンの私に、本当にいろいろ懇切丁寧にお教え下さり、また好きな映画の系統もとても近い事が判明。これからも是非ご一緒させて下さいv 有難うございましたm(_ _)m

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コメント

前作「ドッグ・ヴィル」を見て、次回作を楽しみにしていたので、好きな映画の系統が似ているcontessaさんとご一緒できて楽しかったですよ。これからもよろしくです。

投稿: Yuko | 2006年3月25日 (土) 23時42分

こちらこそ、本当に有難うございました。
Yukoさんに薦められた映画はこれからもきっと見に行きますvv
また是非ご一緒して下さい。よろしくお願い致します。

投稿: contessa | 2006年3月26日 (日) 06時50分

さるおです。

> この世の仕組を「整理して理解する」ためのガイダンス

そうですね。しかも、他人事ではない。

> 監督の達観した視野を見いだすか、「机上の空論」的中途半端さを見るかは、たぶん見る側の経験の多寡によって違ってくるのだと思います。

上述のガイダンスとして観るならば、達観でも空論でもないように感じています。評価が分かれるのは、自分のことだと気づくか、お言葉を借りると"彼岸の火事"だと鈍感になるか、意識の問題なのではないかと思いました。本当は、鈍感になってはいけないという観客依存のためですが、まさしくcontessaさんがおっしゃるように、寓話にしてしまった"切り口の甘さ"がありますね。誰でも心をえぐられるような作品に仕上がっていたら、もっと素晴らしかった。1作目は主題そのものがあまりに個人的だったので成功しましたが、今作はガイダンスとしての要素に観客が目を奪われてしまっていると思います。
『ワシントン』が楽しみだね!

投稿: さるお | 2006年4月12日 (水) 01時59分

さるおさま

TBに続き、コメントも有難うございましたv
しかもそちらに押しかけていって書いたものを(^_^;)わざわざこちらで、ホントに恐縮です。有難うございます。

>自分のことだと気づくか、お言葉を借りると"彼岸の火事"だと鈍感になるか
これは本当にその通りだと思います。そして、だからこそ、「これはあなたの問題だ」という、そこの所だけは訴えるのに失敗してはならなかったのではないかと。
さるおさんのように、この映画をきちんと自分の事として引き寄せて考えるのが本当だと思います。きっと監督もそれを望んでいる。でも寓話は元々「単なるお話」でしかない筈です。それを題材に選んだ以上、そこに隣り合わせる「現実感の希薄さ」を注意深く処理するのは、やはり監督の仕事なのではないかなぁと。

主人公の成長していく過程が、そのままアメリカ経済学史のようでもあり(笑)、また順を追って哲学している(笑)ようでもありで、面白いです。最後はどこへたどり着くのでしょうか。第三部、楽しみにしていますvv

投稿: contessa | 2006年4月13日 (木) 00時49分

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さるおです。 『MANDERLAY/マンダレイ』を劇場で観たよ。 監督はラース・フォン・トリアー(Lars von Trier)。 出演は『THE VILLAGE/ヴィレッジ』のブライス・ダラス・ハワード(Bryce Dallas Howard)、お喋り黒人にダニー・グローヴァー(Danny Glover)、誇り高き黒人にイザー..... [続きを読む]

受信: 2006年4月11日 (火) 03時40分

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