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2006年2月18日 (土)

嫉妬の香り(7)

 この回急に演出が投げやりになったというか、白旗掲げちゃったというかvv「画像があればいい」レベルの絵が流れるようになりまして、役者によって、場面によって、トーンがバラバラです。突然破綻したように見えるのはたぶん私が連ドラに慣れていないせいで、遠因はきっと前回、前々回からあったのでしょう。まるで歌舞伎のように、見得を切ったり顔を作ったり所作を作ったりで大忙しでした。歌舞伎は、桟敷で一杯やりながら観ている人を山場に来た時振り向かせるために、そういう工夫をしているので、見せ場以外はまぁ見なくてもいいか(笑)というお約束になっている。しかし同じように、何かしながらテレビを観ている人を振り向かせようと、それをいちいち絵にして抜くと、歌舞伎と違って「見なくてもいいか」と予め決められている場面は無いので(笑)間が持たない。それに舞台、という亜空間ではなく、ロケまでして基本的にはリアリティを目指しているので、そこでは「絵」そのものがどこまでも二律背反になるわけです。日常を超えた「ドラマのある」感情のゆれや起伏を描こうとすればするほど破綻する。「水戸黄門」や「渡る世間・・・」が撮るのも簡単だし長くも続く、というのがよくわかりました。
 そんな中で、今回も新撰組2人は(笑)頑張っていました。以前ここに、「川原さんに見境なくまつわりつき、彼女を結果的に追い詰める、その追い詰める側の精神的な脆さを出すには、ほんとうは堺さんの方が適役です。」と書いたのですが、堺さんは今回その本領を発揮しています・・・本上さんに対して。この回1回だけで、寄り添いかかったお互いの気持ちが急速にこじれていくのですが、境さんは何も起きていない時の「地の部分」の演技が本当に上手いので、びっくりするようなキレ方、コワレ方をしても、それを充分支えていられるんです。時々、私でもどういう顔をしたら良いのかわからないような場面でアップを振られているので(笑)そこだけ繋がらなくなってしまっていますが。まぁ映画ならそういう時抽象的な映像に逃げちゃうんですが、テレビでそれやるとチャンネル変えられちゃうんでしょうか(笑)。テレビを面白くするのは視聴者の忍耐力?・・・なんちゃって(^_^;) 
 今回のオダギリ氏は、堺さんに比べるとストーカー度はいまいちでvv河原さんの部屋で待ってる様子は、恋する男の甘い気持ちの方がよりストレートに出てました。でもオダギリ氏、こういうの苦手なんでしょうね、それを照れて押さえている分コワくなくなっている。前回の方がフッきれてました。ちなみに伝説の「ピヨピヨ」*はこの回です(笑)細かい顔の表情は本当に上手かった。本上さんと寺脇さんの仲を裂くために今回刺客がv放たれるんですが、その刺客に業務を説明する時、その内容を具体的に口に出さずに、態度と、まなざしと、せりふのトーンで色仕掛けだとわからせる。こういうのはもう、オダギリ氏独壇場ですね。メソッド、というのはもともとがこういう腹芸に向いている演劇法なのですが、仕組みや段取りといったものを絵にしない、今の芝居や舞台や映画の大きな流れの中では、こういう芝居はこれからますます使う場面が少なくなってくる、かもしれません。惜しいですが。


<主な出来事>
一泊研修から帰って来た河原・寺脇夫婦は別居生活を始めます。堺・本上ペアは頑張って気持ちを寄り添わせようとするのですがお互いに限界に近い。そんな時、社長令嬢が堺さんに、寺脇さんと本上さんがキスしたことを告げます。寺脇さんにとってそれは本気の証だと河原さんに聞かされていた堺さんは、本格的にキレ、電話をかけ続けたり仕事場まで付回したり、商談の場に割って入って本上さんを連れ戻そうとさえします。一方河原さんは、1人暮らしの家に勝手に入ってお風呂沸かしてご飯作って待ってくれている(!)オダギリ氏に恐怖すら感じます。社長令嬢のいたずらでデートさせられてしまう本上さんと寺脇さんを物影から目撃した堺さんはついに精神に変調を来たし、プロジェクト発表の日に狂気に満ちた曲を持参し、そのまま耳が一時的に聞こえなくなります。本格的に「愛を取り戻す」決意をする河原さんは、本上さんをホテルの部屋に呼び出す一方で、オダギリ氏にも電話をかけます。(ここから先が、オダギリ氏の独断か河原さんの策だかまだ不明ですが)オダギリ氏は寺脇さんに思いを寄せる助手さんに、本上さんの香りをまとわせ「着替えを部屋まで届けて」と頼みます。本上さんが河原さんの言われた部屋のドアを開けると、抱き合う寺脇さんと助手さん・・・

*ピヨピヨ:「あなたには僕が必要だ」と会社で熱いまなざしを向けるオダギリ氏を邪険に押しのける河原さん。その押しのけられた手の跡にすらイッた瞳のままいとおしそうに触れるオダギリ氏のBGMが、突然のひよこの幸せそうな鳴声でした。ま、間違ってはいないと思いますが(^_^;) ちなみに、その腹部に触れる手つきで、ヘンシン!とか・・・思わないですよ、普通の視聴者は(笑)。

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