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2006年2月 4日 (土)

時効警察(4)

 「脚本・監督はソノ・シォ~ンですが、このドラマはフィクションです」
と最後にテロップ出てました(笑)。今回は、停滞する斯界にあって他ジャンルと独自の関係性を模索しつつ、一方では緻密なパーツの積重ねによって空洞化する虚無を表現する独特の詩世界を編み出した、現代詩人の稀有なる先鋭、園子温さんが監督です・・・って、いや、もう、「ソノ・シォ~ン」の前では自分で書いた文がどこまでも限りなくムナシイですが(笑)。

園さんは映画監督ですし、「夢の中へ」も拝見しましたし、いや今や詩人としてより監督としてのお仕事のほうにより力を入れているのはよくよく存じています。でも!でも!園さんが第4話を監督なさると聞いて、はっきり言って私は先週から物凄く物凄く不安でしたーーーーーー園さんゴメンナサイ。そしてさらにさらに、本当に本当に、今回物凄く面白かったですーーーーーー重ねてゴメンナサイ!!!凡人には園さんの天賦の才の片鱗もわかっていませんでしたーーーーーーってそんなの当然ですっ(泣)。

 園さんが凄いのは、今回、設定も話の運びも実にオーソドックスにきちんと隙無く組み立てて、そこでは遊ばなかった所。時効警察は脚本の段階でユルユル(笑)なのが今までに無い持ち味だと思っていましたが、園さんはそこでは無理をしないで、自分の得意分野で徹底的に勝負vvしてきたんですね~  「言葉」で。

 あのギョーカイ用語の陳列!!には、もう息が苦しくなるほど笑い転げましたが、現場で奇妙な言葉たちそのものに不思議そうに興味を示して来たであろう園さんの顔が、その向こうに見えるようでした。アテガキと言ってしまえばそれまでですが、役者と役の間に2重に意味を持たせて言葉を自在に行き来させたり、他の誰でもない「この人が言うから意味がある(笑)」的なせりふを会話の中にきれいに閉じ込めたり、本当に見ている方は笑ったり感心したり大忙しですvv ことばの色味を見事に各役者が出してくる「役」に合わせていて、それが一箇所たりとも破綻していなかったのにも唸っちゃいましたし、そこで尚且つ園さん自身が「他者にしゃべらせる自分のことば」をここぞとばかり、最大限に楽しんでいて、その哲学的ですらある行程の結果の、「大爆笑」を本当に凄いと思いました。
 笑いを取る、というと、過剰や過大や過激の度合いを競うのが楽だし早いのはわかるんですが、この時効警察のように、たまには持てる力のあらん限りを詰め込めるだけ詰め込んで「技で笑わせる」番組もあっていいと思います。そういう意味では今回の園さんは、まさに本職を生かした職人技、だったと思います。いや、これをどんな顔して園子温さんが書いていたのか、それ考えるだけで大爆笑ですがvvv

われらが十文字刑事は、今回園監督に大変気に入っていただけたようで(笑)、オイシイ所を一人で全部かっさらって行きました。私も次に道に迷ったら、まよわず十文字刑事に聞こうと思いますvv放送中は実は半分もわかんなかった「用例集」ですが、今から見直して勉強します。ええ、何度でも!! というわけで、十文字刑事のお言葉がすべて理解できるようになったアナタにだけ送る「刑事の花道」はこちら (実は今はまだ更新されていない・・・放送終了後はサイト激重です)。

今回もうひとつ嬉しかったのは、オダギリ氏を普通に綺麗に撮っていた事。全編お笑いなのでその空気にあわせていちいち丁寧に「崩し」ていますが、今回みたいに美しいオダギリ氏(笑)もふつーにネタとして使えば良いのではないかと。2度目に永作さんと待ち合わせて海を見つめる時のオダギリ氏の横顔は、どこの映画大スターかと見まごうばかりに古典的にカッコつけてましたが、それがまたありえないくらい本当に美しい。他の人なら気恥ずかしくて出落ちになる所が、当然のような顔して映っていて、しかも観客にもそれが当然に「見える」(ここ重要)。だからそのあと「えええぇぇぇぇーーーー」って笑えるわけで、こーんな天下御免の(笑)美形俳優はオダギリジョーを置いてほかにいませんvv本人もその後ギャグになるとわかっているからこそ出たシーンだろうと思いますし、そのハラの据わった美しさを、もっとドラマの中で生かして欲しいと思いました。


ではでは、今日は節分でしたので最後に景気づけにひとつ

            鬼はフレームアウト、福はフレームインだ!

・・・幸せな春が来そうな気が・・・します!!

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コメント

どうもTB有難うございました。
さっそく登ジョー致しましたです。

いきなりであれですが
鬼はフレームアウト、福はフレームインだ
にものすごくハマってしまった(大笑)
今回の十文字さんお笑いは、全て持っていって
ましたね。

それからここでついでに書いちゃいますが
niftyの映画大賞・・・
今まで知らなかったです。ネット環境は全部niftyなのに(汗)
情報とかはあんまり見てないんですよ・・・
今度からちゃんと見なきゃです(反省)

それではまた!

投稿: もも | 2006年2月 4日 (土) 18時56分

ももさんこんばんは!

いきなりTBお願いしまして本当に失礼しました。それなのにわざわざこちらまで見に来て下さって本当に有難うございます。

時効警察は、オダギリ氏が出ていると、ネタをやっていてもついうっとり眺めてしまって笑ってられないのでvその分毎回十文字刑事に大爆笑させてもらってます・・・ってヒドいな私(笑) いえ、十文字刑事、愛してますよ!!

それからniftyの記事も見て下さったんですね。有難うございます。
なんといっても投票者が100人前後ですから(笑)ほとんど誰も知らなくて当たり前なんですが、この人たちは実は全員、映画評ブログの運営者なんです。しかもniftyが良い評者だと認定したブロガーにだけ投票を依頼する、いわば一般審査員方式。投票に自分のブログのTBを使っていらっしゃるのでたどって行くと、映画雑誌をはるかに凌駕する見識の高さ厳しさに驚くばかりです。

そうしてそんな「映画を愛するヒト」に愛される「映画俳優」・・・本当に幸せだと思いましたです。

イロイロ書いてすみません。こちらこそ、これからも是非お邪魔させて下さい。どうぞよろしくお願い致します。

投稿: contessa | 2006年2月 4日 (土) 21時17分

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