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2006年2月15日 (水)

BIG RIVER 紹介記事

bigriver ベルリン国際映画祭のサイトから、紹介記事をPDFでダウンロードできます→こちら
で、英語とドイツ語でしか書いてないので訳してみました。

概要
"BIG RIVER"は、ある3人の一筋縄ではいかない友情を描いた、異文化ロードムービーである。アリは、パキスタンから来たイスラム教信者で、疎遠になった妻ナディアを捜している。彼はアメリカについてすぐ、砂漠のど真ん中で道に迷う。哲平というアメリカをヒッチハイクして渡っている日本人と、サラという地元のトレイラーパーク(注:キャンピングカーみたいな車で暮らしたり、旅する人の溜まり場)に住んでいる美しい白人女性に出会った後、アリは彼の新しい友人達と一緒に、フェニックスで別の男と暮らす妻を捜しに行く。ところが妻はアリを拒絶しアメリカでの新しい生活の方を選ぶ。恥をかかされたアリは、2日のうちにお前は俺と家に帰る事になる、と言ってしまう。
 アリはアメリカでの最後の2日間を新しい友人達と過ごす。彼の妻が悔いて電話してくるのではないかと気を揉みながら。
 この2日の間に事態は微妙に変化する。アリと妻の復縁から友情の大切さへと話が変わっていくのだ。互いに支えあいながら、3人はそれぞれ自己の確立を目指すようになっていく。

監督談
"BIG RIVER"とは、現代社会において失われてしまった、人々の想像世界、内面的世界のことです。今の時代、アメリカがイラクに爆弾を投下し、同時に食料をも投下していく現実を誰も止めることは出来ません。それをおかしい、と思う人が果たしてどれくらいいるでしょうか。私はイラクの人々が空から降ってくるPBJ(ピーナッツバターとジャムのサンドイッチ)には決して手をつけないと聞いています。イラク人はPBJなんて食べないのです。イラクからはるか遠く離れたワシントンでは当局の人々が"人道主義" "解放" "民主主義" の名の下に、世界を見下ろしています。しかしちょっと待ってください。それでは1トン爆弾のもとに晒されている人たちはどうなるんですか。彼らがそこでどんな日々を送っているのかあなたには想像できますか?「自由」などといった大義名分を持ち出す以前に、現代に生きる人々は、そのような「見えないところにいる人々」について、もう考えようとすらしなくなっているのです。危機にある人々を"想像" する事は、人類の歴史の始まりなのに。このような考えから、私の"BIG RIVER"は始まりました。
アメリカは大きく広い河のようです。世界中から来る人々が河の恩恵に浴しますが、流れに身を任せるということは自身の根っこを失うということでもあるのです。移民たちは果たして、彼らの前に聳え立つ壁を乗り越え、人と繋がることが出来るのでしょうか。
より良い生活を求めてよその国からアメリカにやってきた移民と、政府に管理されたメディアの情報に染まりきった、何事にも無関心なアメリカ郊外に住む中流クラスの人との間に聳え立つ壁は、ほとんど越えられないほど高いものになっています。彼らが顔つき合わせて席に着き、話し合いをするためには何が必要なのでしょうか。本来なら何もそれを妨げることは出来ない筈の、「人間同士の個人的な結びつき」がそこには必要です。しかし21世紀のアメリカにおいては、人々の心の中に「壁」という名の偏見があり、それが在るところでは友情すら簡単には育たないようなのです。私はこの映画でその「壁」を描き、さらに「私達の生活に失われてしまったもの」を描きました。この映画で、人類の叡智は、その繋がりは「壁を越えられる」のだ という事を示して見せたいと私は切に願っています。 Funahashi Atsushi

紹介記事
アリゾナ砂漠の真ん中で、パンクな日本のヒッチハイカー哲平は、アリという、アメリカに着いたばかりの中年のパキスタン人に出会う。アリには車があり、哲平にはタバコがある、というわけで彼らは共に旅する事になる。車が止まった時哲平は、5マイル先のスタンドまで歩いていってガソリンを買ってくると申し出るが、ガソリン代を払おうとしないアリにキレてしまう。アリを車に残したまま、哲平は仲間と離れて迷っているらしい、脚もあらわなサラに出会う。哲平はガス欠なので一緒に来て助けてくれと彼女に頼む。
イスラム教徒と思われるアリは、 サラの露出の高い服に落ちつかない様子だったが、彼女が車にとても詳しく、今男2人でお手上げ状態のこの車も、ガソリンの管が汚れているだけだと指摘され、彼女の助けを借りる事にする。彼女は彼女の家に彼らを連れて行く: 彼女はトレイラーパークで飲んだくれの父と2人で生活していた。
 サラと哲平が互いに魅かれ合っていく一方で、アリは、実は自分のもとを去ったパキスタン人の妻を連れ戻すために米国に来たのだと告白する。サラと哲平は彼を助けることにする。ぎこちない関係を反映してか、事は大げさなまでに慎重にすすめられ・・・ ラッセル・エドワード、ヴァラエティ誌ニューヨーク版、10 月31日- 11月6 日、2005年

グランドキャニオンを背景に進む、国籍の異なる2 人の男性と女性が出会い、何かを掴み取るロードムービー。テロ特別措置法は愛国的行為を煽り、それにより有色人種の2人は、旅行者を脅し疑いの目を向けるアメリカ人と不愉快な遭遇をする。このように、"BIG RIVER"は個人的な旅行すら政治に取り込まれる様子、アメリカに現存する人種間の「壁」がどのようなものであるかを描き出す。監督のコメントにあるように、アメリカは、この映画の中では人々が群れをなす大きな河である。同時に、砂漠の真ん中で迷ってしまった3人の旅が示すのは、9.11以降自分の居場所を見つけようとしている人たちのための「場所」 である。クォン・ヤン・ミン、斧山国際映画祭カタログ、2005 年

この後に監督の紹介記事が載っていましたが割愛。
ドイツ語部分をドイツに住んでる友達に読んでもらったのですが、単に英語のドイツ語訳だった由。現地での評判その他はまた明日以降書きます・・・ミミノイタイ話、なので。

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コメント

↑この私の友人は、私なんかとよく友達になってくれているといつも思うくらい、本当に映画の好きな人です。
今回だってわざわざ高校生の息子さんを連れて、通えるのにベルリンに泊まって(!)これから後も映画見尽くすつもりらしいです。で、私が頼み込んだので(笑)BIG RIVERも見てくれました。

高校生の息子さんは「日本人ってヌルいね。」と少々物足りなさそうだった由。これは、正直仕方ないかなと思います。「友情で壁は越えられる」という発想は、もはやその一歩も二歩も前を行く世界の民族紛争の実情からすると、かなり時代に取り残された感があるのです。渦中の只中に住んでいる息子さんには、日本文化は童話のように牧歌的に見えたかもしれません。そこが、いいんですけれどね。

彼女は彼女で「オダギリジョーってジャニーズなんだっけ?」と眉をひそめていました。日本映画は、北野監督以来、もはや「辺境の珍しさ」だけがウリの「試作品」ではありません。文字通り映画の質と内容で世界に比肩する「ものもある」レベルまで来ているのです。残念ながら落選しましたが、コンペからオファーが来て出品している日本の監督作品もある中、フォーラムに出ただけでヨロコんでいるのは他の数多の日本の映画人の手前ちと恥ずかしすぎます。それに何より現地の映画関係者に対するイメージとしてマイナスです。実力の伴わない「人気先行型」の俳優、という色眼鏡をかけられてしまうからです(しかも日本人に人気、という折り紙はガイジンには最もワカリニクイ魅力)。結局ベルリンに呼んでくれた勧進元の韓国と英国からしか契約来ていない由、その辺りも、ちょっと損してしまったかもしれません。

私が「この人は世界に打って出る気とか全然無いから、これはたぶん国内向けのプレゼンなんだよ」と言ったら「金持ちニッポンなのね~」とあきれられてしまいましたが(笑)、ひょっとしてもし、関係者の間にちょっとは世界に対する色気があったのだとしたら、それは大変申し訳ない事です・・・

投稿: contessa | 2006年2月16日 (木) 09時47分

contessaさん、こちらでは初めまして!! miriです。いや~、なかなかいつもながらのプロっぽい、含蓄のあるコメントで素晴らしいと思います。contessaさんは、今まで海外で生活した事もあるんでしょうか?カッコいいです~。しかし、「BIG RIVER」一体全体どんな映画なんでしょうね? 私はオダギリジョーさんの主演映画が観られるのなら、内容等は何でもOKなのですよ~。(笑) しかし、先日私はアメリカ在住の日本人の方とメール交換をしたのですが、このお話のあらすじサイトを紹介したら、やはり「ヒッチハイクで旅をする日本人なんてありえない!! 殺されに行く様なものだ!!」と本気で心配していました。(笑) 私がヒッチハイクで思い出すのは、日テレ「進め!電波少年」なんですが、contessaさんは知っていますか? 今思えば、何とも滅茶苦茶な内容のイジメバラエティー番組であっただけなのに、毎週観ているうちに、妙に感動させられてしまったアホな日本人のひとりでございます。(笑) contessaさんのすごい博学レベルには永遠に追い付けない私ですが(トホホ)、また書き込みに来させて下さいませ。ではでは。

投稿: miri | 2006年2月17日 (金) 23時05分

miriさんこんばんは!

こんな辺境の地へ本当に有難うございます。
たった今まで十文字刑事見ていて(笑)お返事遅くなりました。すみません。

>オダギリジョーさんの主演映画
あらすじ見るまで女性と絡むなんて知らなかったんですよ~ちょっとびっくり(><)
オダギリ氏本人は今はもうどんなシーンでも絶対余裕でOKだと思いますが、私は自分自身の方が心配です(殴)。

>ヒッチハイクで旅をする日本人なんてありえない
え!あ、今もそうなんですか・・・!私は船橋監督はアメリカ在住だから、その辺りの事情は最近は好転したのかと勝手に思ってました。じゃあ歩いてスタンドまでガソリン買いになんて命懸ですね(^_^;)
監督のコメントの、何だか青春ドラマみたいなノリ(笑)が、紛争渦中のガイジンにはたぶんわかりにくいだろうな~と思ったんですけど、その辺りどんな風に映像に出てきているのか楽しみです。


>「電波少年」
見てましたよ~私はだいたいごく当たり前の事しか思いつかない人なので、番組でとんでもない手で(笑)難問を次々クリアしていくのを見る度に、感心通り越して感動してました。ダースベイダーのテーマが忘れられませんvv


そして、こうしてオダギリ氏の事を思いっきり語れるお客様は実は初めてなんです・・・
よかったら、また是非覗きに来て下さい。

有難うございました!

投稿: contessa | 2006年2月18日 (土) 01時34分

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pdfでダウンロードできる紹介記事をcontessaさんのところで訳してらっしゃいます。 http://contessa.txt-nifty.com/blog/2006/02/big_river__8cac.html あらすじ、監督のコメントなど興味深いお話しです! [続きを読む]

受信: 2006年2月16日 (木) 01時44分

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