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2005年10月27日 (木)

ソーダ水の雨♪

以下、某所掲示板に書き込んだものの焼き直しですが。

鈴木清順監督の「オペレッタ狸御殿」のおかげで、私は初めて「狸御殿もの」という映画のジャンルを知りました。江戸時代芝居の代表格だった「歌舞伎」の流れはこんなところに来てたんだと知って、とても新鮮な感動でした。。
歌舞伎は近現代の「演劇」と違って、観る人にある程度の教養と想像力を強要するし、それでいて、ディズニーランドのような「何でもあり」の楽しさが醍醐味です。 明治開国以来、現実を切り取って開陳したり、人間の深層心理だけをひたすら追求したりといった「演劇」の方が世の主流ですが、じゃあそういう「野暮天」の一切ない典雅な世界を楽しんでいた玄人観客は、いったいどこへ行っちゃったんだろうと不思議に思っていたわけです。今はそれがテレビのコントやバラエティーに薄められ広げられていますが、でもその前に、こういう、映画があったんですね~ 清順さんが「残しとかなくちゃいけない」といいカンヌで仏人が湧いたという、その理由もわかった気がします。いや、歌舞伎好きな人はこの映画すーごくわかりやすいと思いますよ。見終わった後の何ともいえない高揚感、幸せ感は歌舞伎座出る時とおんなじ。清元や浄瑠璃のかわりにスカパラが(笑)活躍してますから、それに慣れるのに時間かかるかもしれませんけど、「豪華絢爛お約束の世界」は磐石です。遊べますよ~vv

で、「きれいな絵にする」だけなら、本当は狸御殿の世界に一番近いのは橋之助や染五郎、あるいは中村獅童だったかもしれません。でも今の時代に狸御殿は、アバンギヤルドとしか言いようがないから(笑)きれい愉しいで撮ってしまったら、ただの記録映画になってしまう。そして清順さんは、何を思ったかそこにオダギリジョーを使う(笑)んですが、結果オーライというか、これ狙ったキャスティングなら監督に脱帽しますが、これがほんと良かったんですよ。メイキングで監督が「だってオダギリ君は歌がうまいって言うからさ・・・」と、「・・・・それなのに」と言わんばかりのコメントをしてましたから(笑)あんまり良く知らないで、たぶんテキトーに選んだんだと思うんですが(おい)。どんな大掛かりな拵えが来ても流されない透明な「オダギリ」の部分。それが、今撮る狸御殿、には必要だったんだと思います。鼻にピアスでもしてそうなオダギリ氏がヘーキな顔して美しく雨千代様やっているおかげで、 観客はこの世界では「何でもありなんだ(笑)」と感得する。そしてそのオダギリ氏にならってむりやり違和感をねじ伏せれば(笑)、さんざ見古した日本の伝統の美が、まるで新鮮な感覚で目に映る。狸御殿のお約束も楽しめるようになる・・・これは凄いことだと思うんですよね。こんなカルトでバンクな映画なのに、歌舞伎もエンターテイメントも何も知らなくても、最後には「美しい」と思えてしまうんですから(笑)。

映画の宣伝で、ジム・ジャームッシュ監督が絶賛してました。私ははっきり言ってジャームッシュさんの映画の方が100倍わかりやすくて好きです(笑)。今でも私は、この人とかタルコフスキーとかヴィム・ヴェンダースとか大好きなんですが、なんで彼らがそんなに清順氏をリスペクトするのかがスゴイ謎です(爆)。そういえばオダギリ氏が仮面ライダーやっていた頃、好きな映画監督として、ジャームッシュ氏の名前を挙げ、さらに「ダウン・バイ・ロー」の世界が好きだと書いているのを見て、「それで『変身っっっ!!』はツライだろーなー」と心底同情してたのをよく覚えています。。。いや、だから、その開き直った変身術が、こうして狸御殿で生かされてよかったじゃない?(核爆)。

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