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2005年8月16日 (火)

アムステルダム

amsterdam新潮クレストブックからお気に入りその2。
公式ページはこちら。
別に私が紹介しなくたってもう充分著名な作品ですが。

ちょっと推理小説めいた展開ですので、そちらが好きな人にもお薦め。あまりブンガクしていない、地に足の付いた文体もお薦めです。それからこれは訳者の小山氏がスゴイのですが、原作は、登場人物の言葉遣いや仕草で見事にその地位や性格の機微を表現していて、その阿吽の呼吸があまさず「日本語」になっている手腕はほんとうに脱帽モノです。換骨奪胎、人物の持つ空気とその重みを一から新たに日本語で描き出すような作業は、もはや作家のそれと言っていいでしょう。ストーリーが誤解なくわかる事以上に、言葉を味わって読める本です。

そして全編を読んでも、題がどうして「アムステルダム」になのかは皆目わかりません(笑)。これは作者後書きになって初めて出てくるのでネタバレしてもいいと思うのですがvアムステルダムというのは実は「合法的に安楽死の許される場所」なんです。自殺の許されないカトリック教徒はもちろん、老醜を晒さず群れから一人離れて死ぬといわれる象のように「尊厳死」を望む人にとっては希望の都市です。
そしてそこから派生して、作者と友人は、老いの垣間見えたお互いに対して、冗談混じりに「そろそろアムステルダムへ行くか?」と言うのです。これが一時期、私のうちでも流行りまして(^_^;)。2階へ上がった途端、何を取りに来たか忘れた時や、朝子供の副鞄を持ってやってそのまま会社に行っちゃった時などに、一言つぶやかれる「アムステルダム」と言う都市の名は、都市の名以上の強烈な意味を持っていました(笑)。実は今日もちょっと「アムステルダム」だった私vv 行った事のないその名を唱えるだけで何だか心が安らぐのですから、もう末期症状かもしれません(笑)。

是非ご一読をお薦めしますv

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