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2005年7月

2005年7月30日 (土)

十二夜

いつもすっかり公演が終わってからここに書くので何の役にも立っていないのですが(^_^;)今月の歌舞伎座。
タイトルは言うまでもなくシェークスピア原作の喜劇ですが、今月はこれを蜷川演出尾上菊之介舞台に翻案しておりまして、後援会に入ってる友人から来たチケットで行って参りました。私にお鉢がまわって来たのは、つまりあなたは浮気者だから蜷川もシェークスピアも多少は観ているでしょ、ということで、更に言うなら歌舞伎一筋の友人には、たとえ菊之介様が出ていても「2度は勘弁」ということだったらしく。
観た感想は、確かに凄くいろいろ考えさせられる、深くて面白い芝居だったと思うのですが、エンターテイメントではないな、という感じでした。これを欠いては歌舞伎座のお客は興醒めなんです。コクーンや芸術劇場と違って、その辺り蜷川氏にはちとかわいそうでした・・・って、あ、これ、元々喜劇でしたか(殴)。

で、ここに書こうかなと思ったのは、実は演出でも役者でもなく(そんな恐れ多いこと書けません・笑)台本のことで。
歌舞伎というのは江戸時代に書かれた脚本を今に至るまで使いまわす一方で、明治期にも大正期にも昭和にも、凄い脚本がいくつも生み出され、今も古典と共に後世に伝えられています。でもそこで使っている言葉遣いは、他の本と一緒に板に上がって違和感のない様、せいぜい江戸期の、あの時代劇で出てくる独特の台詞回しまで、ですね。そうでないと「ここぞ」という時に見得も切れないし柝も打てない。浄瑠璃や清元にもノりづらい、ということなんだろうと思います。でも、水戸黄門でも大岡越前でも、全編武士町人言葉で固められているかというとそーではなく、当然のように現代語が混じっています(余談ですが、私は昔水戸黄門で、殿様のいる広間に蛍光灯が映ってたのを見ました・笑)。時代劇はそれぞれが勝手にしゃべるからそれでもいいんでしょうけど、歌舞伎はその辺り、ある意味オペラと似ていて、あんまり勝手なリズムの言葉を出すわけにはいかないんです。

でもこれが難題。今や私たちの普通の言葉と古典は、たったこの50年くらいで、1000年の伝統を余裕でブッちぎるほどに隔たってしまいました。昔ガイジンに、お前は高校で何を教えているのだと聞かれて「800年くらい前の日本語」と言ってやると、それだけで凄くビックリされるのがカイカンでしたが(笑)、さらに「小学生でも200年くらい前の日本語ならだいたいわかる(奥の細道、とかですね)」「用語の説明が文の脇にあれば、1000年前の日本語でもほとんどの人はだいたい理解する(大鏡、なんか余裕です)」なーんていうと「万世一系の帝」にも匹敵する驚きようですvvまあ、こんなにのんべんだらり、もとい、連綿と(笑)自分達の文化を伝えてきた民族は世界にあまり他にないんですけどね。その間、使う言葉は変わっても、文の構造や大まかな文法、基礎的な用語はさして変わっていないというのもあります。でも、ガイジンには黙ってましたが、それだけの幸運に恵まれながら、さて古語を使って文が「書けるか」と言われると、到底カケマセン。英作文より難しいカモシレナイ(泣)。ひとつには現代語を古語に直す辞書がないからですが(爆)、より深刻なのは、私の世代でさえ、もう皮膚感覚が違いすぎて、文章が作り出す世界を「想像」するしかない、という所。私の祖母くらいまでは、実体験として共有するものがあり、素養としての古語もあり、「生きた古語」を使いこなしていた・・・と思うんですけどね(古語といっても江戸までですが)。うちの息子世代になると、もうはっきり、お稽古のお謡いより、漫然と右から左へ筒抜けの英語ニュースのほうが耳に「聞こえ」ています。

・・・つまり何が言いたいかというと、今回の台本はそういう今の日本の言語環境を「如実に」あらわした、歌舞伎としては有り得ないレベルのひどさだったんです。あれは、歌舞伎ではない。でもたぶんもう誰もそれを全部「正しく」は直せないので「しょうがないか」と言うほかはない・・・これから後の時代に良い歌舞伎の脚本が出る確率はますます低くなるばかり
・・・世相を切って「かぶく」のが身上の歌舞伎は、案外こんな哀しい理由で衰退していくのではなかろうかと、そんな風に思ってしまったのでした。

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2005年7月28日 (木)

やっぱりイイッ(18禁 ^_^;)

昨日は子供の誕生祝にレアル×ジュビロの試合を見に行ってきました。
先日のレアル×ヴェルディは土砂降りの中レアルの調子も最悪でしたが、昨日はその「白い巨人」の華麗なプレー、その片鱗を魅せてもらえてよかったです。子供の試合と、日本代表の試合をテレビで見るくらいの私がサッカーについて話すのもどうかと思いますが(汗)レアルの選手は本当に1人で何人分もの働きをしていて、本来のポジションが不明なくらい自在に動き回っていました。「だってさっきあっちで球出ししてたじゃん!」という人がいつの間にか最前線でゴールアシストしていたり、DFが平気な顔してドリブルで5人まとめてかわしたり、ボールの無い所の選手の位置もチェックしておかないと、すぐに「あああ~っ」という事に・・・恐るべし。というかそれが世界のサッカーなのね~

ちなみに上で使った×は伊達ではありません(笑)。レアルはベッカムやラウール、ヒューゴ、ロベ・カロを出すまでもなく本当に「顔で選んでいるのか!」というくらい皆様美形揃いですが、それに加えて揃いも揃って「攻め顔」なんです(おい)。いや、やっぱ攻めってこういう男臭くて闘争本能むき出しの狩猟民族でなくちゃ話が(Hが)先へ進まないよなぁ~と1人で納得しましたよ。ピッチの上の日本人選手なんてほんとにカワイイもの(笑)。突き飛ばされて悶絶して倒れているとベッカムあたりが手をとって起こしてやるのですが「そのままとって食われるんじゃないか☆」というくらい、ギラギラがむき出しで、しかもどんなプレイでも常に狩る気まんまん>@サッカー(念のため・笑)。私はオーウェンという選手が好きで、この人だけは受だなぁと常々思っていたのですが(汗)、実は同じFWというポジションにラウルという若きスーパースタープレイヤーがいるので、何でベテランのオーウェンまでわざわざレアルは取ったのだろう、と不思議に思っていました。でも昨日見ててわかりました。つまり彼は総員攻チームの中に、なくてはならないたいへん貴重な存在vvきっとチームのために、勝利の為に、皆の滾る思いを一身に受け止め、ているに違いありませんっっっ(死)。

・・・すいません(笑)。「三千世界・・・」を読んでちょっと引っかかっていたのが「果たして目の前の生身の男にそんなに萌えるか?」ということで、実はその事を書こうとしていたのですが、サッカー見ながらコンナコト考えている私に他人様の萌えを語る資格はありませんですね(笑)。私はむかーし自衛隊員が生徒で、その時はちょうど、今映画になっている「亡国のイージス」が発表されたばかり、連日カタく苦々しくツラい話を彼らと交わしておりました関係で、どうしてもナンパな軍隊ネタは萌えづらいのです。そこに子犬や天使が出てくると、主人公より先に叩っ切ってシマイタクなるヤバさ(笑)。採寸で男を剥くのがそんなに愉しいか、と思う私は、もはや枯れた境地のおばさん(^_^;)
オーウェンの汗で透けて見えた白いユニフォームの下、には無茶苦茶萌えたcontessaでした・・・

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2005年7月25日 (月)

「通常の三倍」

すみません、本の話題はひとまず置いといて。
面白いもの見つけましたのでちとご紹介。
タイトルのかぎカッコ見てピンと来たアナタだけに贈る!!
        「ガンダム占い」 キャラ一覧

えーと、通常の3倍とまではいかなくても(笑)占いも当たらずといえども遠からずです。が、なんといっても身近な人間をガンダムキャラに置き換えるという暴挙がvとにかく他の占いの3倍愉しいです。
大爆笑だったのはゲルググ(父)とジム・コマンド(母)の間に生まれたのがガンダム(私)とシャア専用ザグ(妹)という事実。いや、これほどうちの家族関係を一刀両断に・・・(笑)。両親は私達姉妹を常に遠巻きに眺めていましたし、妹は未だに私を「連邦の化け物」と思っているでしょうし、わけのわからない「坊や」だとも思っているでしょう。一方ドン臭い私は彼女に会うたびにその華麗なモビルスーツに目が眩みます(笑)。しかも、おかげさまで妹とはスペックの差を乗り越えて、仲良く暮らしておりますが、「ガンダム」の「相性の悪いキャラクター」を出すとなんと「シャア専用ザグ」と出るのです。それって、なんて言うかもう、占いじゃないだろう!(笑)。

子供に、夏休み用に長編シリーズ(ゲドとか指輪の類)選んでやりながら、こんなの見つけてヨロコンデいる母でした・・・

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2005年7月22日 (金)

「三千世界」読みました(1)

えーと、ナイフとフォークならフォークが誘い受だと思うcontessaです。こんばんは。いきなりすみませんm(_ _)m
知り合いの御厚意で「三千世界の鴉を殺し」8巻までとプチ文庫3冊、一気に読みました・・・凄く凄く面白かった証拠に9,10巻も速攻買って読み終わりましたともv英語のスラングにお詳しい方々、このシリーズには元意のままの"purple heaven"が出てきますのでご注意を~(笑)。

明日から泊まり行事なのでまた帰ってきてからゆっくり書きますが、話の面白さもさることながらユング心理学をかじった事がある人なら、この作品を通して現れている津守さんという書き手について、その心象風景について、凄く興味が湧くと思います。たぶん、ただひたすらエピソードを連ねる、という一種「何も外郭のない」連術形式も、生身の作者自身が投影される確率が高くなっている理由でしょう。商業誌として出版されているとはいえ、そういう読まれ方は作者の本意ではないと思いますが、結局「書く」ということは多かれ少なかれ自分を切り刻むということなのだなぁ・・・としみじみ思いましたです。

ちなみに、私がこの作品でただ一人共感したのはルシファードという主人公ですが、それはこの主人公が作者の投影スクリーンとなっているせいで、突出して書き込まれている、というのもあります。そうして私自身がどうしようもなくのめりこんだのが「人魚」だったあたり、私は主人公ではなく、そのスクリーンの裏の作者に共鳴しているのかもしれない・・・と思ったことでした。

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2005年7月19日 (火)

手をつなぐ。

子が、もうほとんど夏休みになっていますので、ここのところ週末も平日もなくイベント続きです。親も教会の夏のキャンプやサッカーの合宿はスタッフの側なので余計イソガシイ・・・子供が小さいうちはどこのお家も似たようなものだと思いますが、ここからますます正念場ですvv

で、その間隙をぬって先日、ある説明会に行って参りました。私(達)がよく使わせてもらっている某所建物の建て替えで、今話題のアスベストが発見されたので、急遽工事を延期して撤去作業をする、その工事手順と安全性についての説明、ということでした。

そして一番年が若い、という理由で、このツマラナソウな会には私が出る事になったのですが(笑)そこで思いもよらぬイイモノを拝見vvつまり説明に来てくれたのは建設会社の現場の人と営業の、若い方お2人で、たぶんいつもおぢさん達相手にプレゼン等は慣れている方達なのですが(実際説明は簡単明瞭・懇切丁寧・とても手際のよいものでした)、その日はさして広からぬ会場にいつもとは勝手の違う人々がつめかけ、「ソリコミ」や「ボンタン」にものめずらしそうな視線を投げつけ、あまつさえど素人の予想外のツッコミ・質問が容赦なく飛んでくるわけです。最初調子良かった2人もだんだん緊張を隠せなくなり、特に営業の人は声まで小さくなって会場が少しざわざわしてきてしまいました。
そしたら。他に誰も頼る人もない2人きりの演台の上で。端に座っていた私には見える机の下で!パンチのおにーさんが前を向いたままそーっと営業の人の手を握ったんです。おにーさんははっ、とパンチのおにーさんを振り返り、みるみる顔が赤くなり、でもそれは質問に窮しているとしか見えなかったのでしょう、ザワザワは続き、その間手はずっと握られたままでした。やがてパンチの人に何事か耳打ちされ、赤い顔のまま下を向いていたおにーさんはゆっくりと顔を上げ、重ねられた手を逆に握りしめながら、落ち着いた声で一つ一つ質問を整理し、答えていきました。

私の目が腐っているのは重々承知の上でいいますが(^_^;)、眼福でした。人に隠れて手をつなぐという行為があんなにアツいものだとは思いもしませんでした。そこから拡がる尽きない妄想はひとまず置いておいても(笑)、何ともうらやましいイイ2人。男の人にとって友情と恋愛は、さして違わない、同じ延長線上にある感情なんだろうなと、つくづく思ったことでした。

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2005年7月14日 (木)

SW3

SW3今年、私は誕生日に、知人を1人テロで失いました。ガイジンですのでお互い、肝胆相照らすというわけにはいきませんが、でも私の事を言葉の本当に意味で「知って」いてくれていた人だと思います。ここの所ずーっとその事で、慣れない英文のメールを読んだり書いたりしていました。年をとって自分の脳力以上の事をすると、頭だけでなく体にも悪いということがよくわかりました~(泣)

水曜日、ガッコやカイシャの家族を尻目に1人でSW3見に行ってきました。私は主人と子供にハメられた口なので見方がもともと浅いのですが(汗)アナキンがダースベイダーになる話だけは、エピソード4を初めて見せられた日からずっと、1人でじっくり見たかったので、満足です。彼らの感想も楽しみですけどね。
字幕が今回本当に残念だったのですが、英語のせりふの端々に現れるアナキンとオビワンの深い信頼関係、素敵でした。まるで次兄と末弟のような気のおけない「やりたい放題」者同士。他のジェダイと違って成長してから修行を始めた二人は、ともすれば感情の制御が利かず、でもだからこそ生き生きと感じられる高揚した士気、心の通い合い・・・良かったです。しかしアナキンを人間として成長させるのにはオビワンは最良の師でしたが、最適なジェダイマスターではなかった。見ているとわかるんですがオビワンのよさである「人間」の部分が、アナキンの中にダークサイドに堕ちる隙を育ててしまっているんですね。オビワンは、人間にはダークサイドに通ずる部分がある、ということも含めて「人間」が好きなんですが、でもそれはジェダイとしては許されない部分・・・私もここにすごく共感するがゆえに、アナキンには本当に泣かされてしまいました。結果的に見れば、このダメダメな弟子2人が全ジェダイを破滅させてしまったんですけど、それがクワイ=ガン=ジンの遺志だったのではないかと思うほどに、私はこの輝ける2人の異端児が好きです。

これを見た後でエピソード4.5.6を見ると、SWは単純~なわかりやす~い勧善懲悪アメリカン映画、ではなくなると思います。世の中そんな単純ににわりきれるものじゃない・・・話が先頭に戻りますが、今回長い長い英文手紙のやり取りのうちで、私が一番慰められたのは、このフレーズでした。そして今回のテロがそのままイスラム教徒などへの憎しみに転化するといった短絡的な考えには、幸いな事に出会いませんでした。前回のテロの時某国の大統領が発した「俺達はこれから十字軍になるのだ!」という子供のような怒りよりも、何倍も、大人で、ある意味したたかでした。そしてこうした時、ともすれば弱りそうな心を互いにしっかりと支えあう術をも、かの国の人たちは歴史の中で会得しているのでした。

こんなことが起きた後でも、私はアナキンが、ダースベイダーが、人間が、心の底からいとおしいと思います。そしてこうして血も涙も流しながら共に生きていくべく与えられたこの世の中に、感謝したいと思います。

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2005年7月 4日 (月)

喪神の碑

light先日ここに、「三千世界の・・・」という本を読んでみたいと書きましたら、お優しい方が「持ってますよ~」とお声かけて下さり、有難くも貸して頂ける事になりました。ところがおばかな私か気楽に「是非是非vv」とお願いしましたらこれが何と、全17巻!只今ようやくその前哨戦となる「喪神の碑」5巻を読み終わりましたです・・・

面白かったです。一応ネタバレは伏せますが、とりあえず、ドスの聞いた声でおネエさま語りされても、少しも悪寒は感じない自分を深く恥じました(笑)。そして強いもの、美しいものにおおっぴらにのめり込めるのはやっぱり愉しいです。ストーリーも、感情的背景の起伏がごく自然で無理がないので、長く読んでいても疲れるということがないです。
そして読んでいる内に「え?え?」と思うこと暫し。実は教員の時、文芸部顧問をしていた事があって、その時これを断片的に読んでいた、のをしばらく読んで思い出したのでした。えー、今にして思えばそれが人生初の腐女子との出会い(大爆笑)。とりあえず私に見せる本には絵でも字でも「突っ込んだ」描写はなかったですが、おぼろげながら概要は感づいていた気がします。でも頑張ってもそこまでで、当時はまだそっちの指導は出来なかったので(笑)、話の構成や肉付け、台詞の組み立てや地の文とのかませ方など、ごく初歩的な事を教えてそれで終わりでした。そしてその中で一番緻密な文書を書いていた子が、当時これをネタ元にしていたのでした。

本人達は当然ですがネタ元のキャラ立てなどしないので、読んだことない私の方がある程度読まなきゃなりません。そしてこの話も、今の私なら船長とO2が2人並んでいればとりあえず満足ですが(殴)当時は船長の恋物語を追っていたその生徒と一緒に、「O2に恋人が出来てしまう」という随分な(涙)ネタをふくらましていました。

これにはオソロシイ後日談があって、教員辞めて結婚して子供が幼稚園に入ってPC買ったその夏、そのまま初の夏コミ会場に足踏み入れた(笑)私は、そこで当然のような偶然で、彼女達と再会したのでした。いや、とりあえず書いたものはもう絶対見せあいっこしませんでしたが(笑)。後発、後進の私の肩を笑ってぶっ叩いてくれた彼女達に、今でも本当に感謝しています。

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