« 取り壊し(18禁) | トップページ | 終わった~! »

2005年6月10日 (金)

ペンギンの憂鬱

2表題は「新潮クレストブックス」という翻訳小説ペーパーバックシリーズの一冊です。このシリーズはペーパーバックというにはちとお値段が高いんですが(^_^;)、紹介している作品に良いものが多く、好きで時々買っています。時間をかけて翻訳させているので専門的な話でも誤謬がないし、文にも「日本語読者としての」編集者の手入れが徹底的になされているので、途中で引っかかることなく読めます。私は英語圏と中国語圏しか元文の見当がつかないのですが、それでも担当さんによって訳者が育っている、というのはひしひし感じます。一読み手としてこの地道な作業は本当に有難い事だと思っています。選書基準は欧米各国で何らかの賞を取った新進作家の作品紹介、という感じで、読み手によってははずれもあると思いますが、帯と裏表紙の書評が詳しいので、それを手がかりに選べば大丈夫かと。ちなみにサイトはこちらです。
新潮クレスト・ブックス
いつかここに書くと思いますが、他に私のお薦めは「アムステルダム」「天使の記憶」「石のハート」「ウォーターランド」「その腕の中で」などです・・・よければ図書館で是非。


で、表題のこの本に書かれている話は、東西冷戦時代には「世界のどこかで現実に起きている事」として皆が認識して「いた」ことでした。でも今読むと、良い意味でも悪い意味でも何だかファンタジーのようです。この時代を経験した人はとにかくヒリヒリするような真に迫った抑圧感・緊迫感を十二分に味わえるでしょうし、知らない人には「そんなバカな」と思える唐突さかもしれません。でもペンギンを飼う、という非日常的なモチーフのおかげで、話は「いいんだ、これはそういうものなんだ」という次元軸にするするとすべり込み、今度はそこから私達が勝手に思い描いてしまう「翳」を利用して、そのまますべて灰色の霧のむこうに消えうせてしまいます。私なんかはこの「灰色」の美しさに、立派に「ロシア文学の伝統」が受け継がれているなぁと、かの国の民族性に想いを馳せてしまうのですがね。まぁ、それは外国人の呑気な感想、ですか(^_^;)。

最後にお知らせをひとつ。
・・・来週は子の学校行事と〆切が重なってプチ修羅場です。
ごめんなさい、ここはお留守にします。

|

« 取り壊し(18禁) | トップページ | 終わった~! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ペンギンの憂鬱:

« 取り壊し(18禁) | トップページ | 終わった~! »