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2005年5月30日 (月)

ピアノマンの恩恵

記憶喪失のままイギリスの海岸に流れ着いた北欧系美青年。身元を示すただ一つの手がかりはピアノが超絶に上手いこと・・・何だかハーレクインかお耽美小説に出てきそうなこの人物。「ピアノマン」のあだ名で各国のメディアを賑わし、最近ようやくチェコのロッカーだったかもしれない説が有力になってきました。彼のチェコ時代の知人によれば、その両親は彼がピアニストになる事を切望していたそうで、ロックバンドに所属する以前はリストやラヴェルで一度だけリサイタル経験もあるんだとか。でもその程度なら(かわいそうですが)うまいけど名前が知れていないと言うのも納得です・・・日本国内には同レベルの演奏を職業としていないピアノ・レディは(笑)たぶん5000人はいますよね。これで「ピアノマン」として興行を打てば当たると思いますけど、残念ながらそれはピアニストとしてではなく、一種見世物として、でしょう。

恩恵、と書いたのは、彼が病院関係者の前で弾いて見せたというテープがいっかな流れてこないものですから、各TV局がしかたなくBGMにピアノ曲のCDを使っていたことです。「ピアノがうまい」と言う話の最中に出すものだからかどうかは知りませんが(笑)これが各局とっても気合が入っていた。私もクラシックの好きな友人から教えてもらってニュースチェックしてますv たぶんTV局内でクラシックが好きな人なんて、私の父ぐらいの人か、思いっきりマニアな人なんでしょうね。グレン・グールドや内田さんといった、聴いてすぐわかる特徴的なピアニストの、しかも一番おいしいトコロをさらん~と流してくれて「おおっただで聴けた!得した!」とビンボー人をヨロコバセテくれています。局名出すとマズいかな、私が聴いた日の某局は、朝のニュース番組から夜のステーションvまで一日曲こそ違え全編アラウでしたよ。久しぶりに聴いた~(感激)そうだうちにもこのCDあったんだ~(涙)っていうか私はこの曲ならリヒテルの方が好きなんだ~(おいおい)。

2,3年前に、車椅子のヴァイオリン弾きイツァーク・パールマンが、NTTのCMでブルッフのヴァイオリンコンチェルトを文字通り「キラキラキラ~☆」と弾いてくれていましたが、そのCMが流れるたびに胸がどきどきして息が止まりそうになり、30秒終わると「ハァ~」とため息ついていたものでした。そうしてここが庶民のカナシサですが(笑)「わぁ~タダで聴いちゃったよ・・・」と日本企業の繁栄をヨロコブのです。その時と、今回似た感覚です。そして、やはりというべきか、だからというべきか、さわりだけでも、やっぱり凄い人は凄いものなんです。残酷な事を言うようですが、きっと「ピアノマン」とその写真の背後に流れている巨匠のピアノの間には、あと一歩に見えて超えられない壁があるんだろうな・・・としみじみ思った各局ニュースでした。

piano

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